ジョナサン・サフラン・フォアのレビュー一覧

  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    文字通り「ものすごくうるさく」て「ありえないほど」訳がわからなくて、1ページあたりの情報量が多い本書。今年の7月に神保町の書店、豊崎由美さんの棚でこの本を見つけた時は、その夥しい付箋や書込みの量に驚いたけれど読んでいる間は全然気にならず、むしろ赤くて細い線の文字や鉤括弧、棒線に励まされるような不思議...続きを読む
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    レビュアーの多くがこの物語を9.11について特化して語るのは当然だとしても、私はもっとシンプルに、きわめてオーソドックスに“エディプスコンプレックス”について書かれたものだと感じた。
    だからオスカーについても「ちょっと変わった」なんて思わなかった。
    逆に、少し斜めから物を言ったり、覚えたてのちょっと...続きを読む
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    アメリカ同時多発テロから一年後のニューヨーク。父親をテロで亡くした8歳の少年オスカーが主人公。

    ネットや本でいろいろな知識を詰め込んでいて8歳にしては物知りで、独特のユーモアセンスを持っているオスカー。
    でも、エレベーターに乗るのが怖い、ジェットコースターにも乗れない。友だちも(たぶん)少ない。自...続きを読む
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    凄い小説だった。主人公の少年が撮影した写真や、もはやデザインにも近しい手紙風の挿話が含まれていたり、読むことが正しく映画的で体験ともいえるような本だった。

    911で父親を亡くした少年、ドレスデンの爆撃で恋人を失い、言葉の発し方も失ったその祖父、祖父の恋人の妹であり、祖父に去られてしまう祖母の三者の...続きを読む
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    映画公開前に読んでおきたかったので。読み終えて、『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』と同じ作者さんだということを知って驚いたし、なるほど!と納得した。『エブリシング~』は映画を観ただけですが、重たい主題をカラッと軽快に描くのが得意な作家さんなのだなと思った。原書がどうなっているかはわかりませんが...続きを読む
  • エブリシング・イズ・イルミネイテッド
    『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』のジョナサン・サフラン・フォアが若干24歳にして書き上げた長編デビュー作。長いこと絶版で、入手困難な状態が続いていたが、この度、電子書籍版が発売された(しかもキャンペーン中だったのか、無料!)ので、すかさず購入。

    物語はユダヤ系アメリカ人のジョナサンが祖...続きを読む
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    ものすごく繊細で、ありえないほど力強い
    9.11で父親を亡くした少年オスカーが、父の遺品である謎の鍵の鍵穴を探して、ニューヨークの街を冒険する。オスカーと母、祖母と祖父それぞれの、深く深く傷ついた魂の物語です。
    生きる意味を失ったオスカーの、大人びていてひねくれた、でもとても純粋で子供らしい語りが、...続きを読む
  • エブリシング・イズ・イルミネイテッド
    映画がよかったのと、装丁が気に入って購入。壊れた英語に爆笑してる隙に、魂をわしづかみにされる斬新な物語。
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    正直、一回読んだだけだと良さを捉えきれない。まだ一回しか読んでないので、もう一回読んでみようと思う。
    父親を失った子供が探し物の冒険を繰り広げるのが中心で、そこにおばあちゃんやおじいちゃんの手紙が絡んでくる。ただ、この手紙が物語を理解する上での曲者で、代名詞だらけで途中でこんがらがってくる。おまえ、...続きを読む
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    映画がものすごくよかったので、ぜひ原作も読みたいと思って読んだんだけど、いや小説もよかったんだけど、映画はすごくエンターテイメントにキュートに巧みにつくったなあと感心したような。ストーリーも細かいところはけっこう違っていて、映画は本当にうまくオスカーの話を中心にまとめてあって、おじいさんやおばあさん...続きを読む
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    一編の長編だが、短編小説を読んでいるような気になる小説。
    わざと行間を詰めていったり、何枚もの写真を逆回しで載せたりと、装幀がかなり凝っているので、そんな仕掛けも楽しめる一冊。
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    終始、ワクワクしました。
    一人の少年が、9.11での深い悲しみから立ち直るまでの経緯を冒険的に描いたお話。
    ニューヨークという舞台が、ある意味すでに「冒険」ぽいですよね。

    読み終えて、もう一度タイトルの意味を考えると、とても感慨深いと思います。
  • エブリシング・イズ・イルミネイテッド
    「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」のジョナサン・サフラン・フォアの24歳の頃のデビュー作。なんの前知識も無く題名に惹かれて読み始めたが、ホロコーストにまつわる物語だった。感想がまとまらない。

    作者がモデルであるアメリカ人青年ジョナサンは、ユダヤ人祖父を助けてくれた女性アウグスチーネを探し...続きを読む
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    映画も観ましたが映画では描かれていない場面ももちろんあるので原作を読んでよかったです。映画ではオスカー役のトーマス君の演技にも胸を打たれましたが、原作では文字からも事件が周りに与えたさまざまな影響やオスカーの気持ち、おじいちゃんの気持ち、おばあちゃんの気持ちなどに胸が苦しくなる程でした。結構前に読ん...続きを読む
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    なんぞ?なんぞ?なんぞ?と思いながらも、読み進めてしまう、とても不思議な作品でした。

    911で父を失った、ちょっと変わった少年が、救いを求めながら、NYの街で様々な人々と出会っていくお話。

    911のみならず、広島だとかいろんな悲劇(と一言で片づけられない出来事の数々)が挟まれながら、
    したいよう...続きを読む
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    主人公、アスペルガー症候群かと思って読み始めたんだけど、どこにもそんな話は出で来ないが、どうもこの少年なんか不自然な感じ。
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
     視覚的に斬新な試み(ビジュアル・ライティング)へと目を奪われがちだが、「現実との境界があいまいな寓話的ディテール」、「言語的コミュニケーションな質的な障害をもっている少年を主人公としていること」、「複数の人物による一人称的な語り」といったテキストそのものの仕掛けでじゅうぶんに成功している作品だ。
    ...続きを読む
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    読みにくかった、と言わなかったら嘘になりますが…
    読んでいる間、それぞれの物語がどう絡むのかが気になるのですが、混沌としていて、でもそれが人生というものなのでしょうかね。
    読んでみてよかったと思います。
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    9.11で突然父親を失ったオスカーが父の死を受け入れるまでのお話。ドイツから移民の祖父母の話があるので、なんとなくジュンパ・ラヒリと似た空気感を味わった。映画も見てみたい。
  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
    読み終わって「ほわ〜っ」と息をついた。
    ラストはめくる手を早めたいような気もしたし、もうちょっとゆっくりにしたい気もした。

    オスカーの目を通しての世界観は、はじめなかなか読み取りにくかったけれど、だんだんいろんなことがつながってきて、分かってきたらどんどんせつなくなった。

    そうなったらオスカーは...続きを読む