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北海道旭川市を舞台に人間の「原罪」をテーマにした著者のデビュー作であり、代表作。
ある夏、北海道旭川市郊外の見本林で3歳の女児が殺される。父親、辻口病院院長の啓造は出張中、母親の夏枝は眼科医の村井の訪問を受けている最中の出来事だった。夏枝と村井の仲に疑いを抱いた啓造は、妻を苦しめたいがために、自殺した犯人の娘を引き取ることにする。事実を知らない夏枝はその娘に陽子と名付け、失った娘の代わりにかわいがる。夏枝や兄の徹らの愛情に包まれて明るく素直な娘に成長していく陽子だったが、いつしか家族に暗い影が忍び寄る―。
三浦綾子の朝日新聞の懸賞小説当選作であり、デビュー作。
そして、1969年(昭和44年)、1970年(昭和45年)、1981年(昭和56年)、2006年(平成18年)と昭和から平成にかけて4度にもわたりテレビドラマ化された、空前の名作である。
「三浦綾子電子全集」付録として、懸賞小説の当選発表記事や受賞の言葉などを収録!
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ 2024年01月27日
もっと早く読めば私の頭の中、思考が変わっていたかも、と後悔しつつ、三浦綾子さんが43歳の時に書かれた氷点を同じ年齢で読むこの奇跡も不思議に感じた。
人の感情で1番不要な『嫉妬』『妬み』からの歪んだ心持ち。
誰もが自己中心で親の愛情を受けるべき子どもたちの苦悩。
啓三が上巻最後で命拾いし心改める、あぁ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月01日
出逢った小説が気に入って「同じ作者の別作品?」という興味が湧く場合が在る。最近はそういう具合に三浦綾子作品を少し読んでいる。読んでいる小説は何れも何十年か以前に初めて登場している作品ということになる。が、自身にとっては「今月の新刊」というようなモノと同列に愉しむことが出来る。と言うよりも、「読者に迫...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月09日
デビュー作とは思えない完成度と内容の濃さ
「原罪」というテーマは重くても、
テンポ良く滑らかに展開するストーリーは昼ドラのように読みやすいので、面白く読めて意味も感じるような、エンターテイメント性と問題提起のバランスが絶妙だと思います。
若者特有の、社会に対する欺瞞や矛盾を許さない目線と、
宗教...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月10日
たいへん面白かった。主な登場人物全員の心理描写があり、どの人物にも感情移入できました。
妻への復讐のために娘を殺した犯人の娘を養子にとるが、どう考えても復讐になっておらず、特大ブーメランとなって辻口自身が苦しむことになる。
個人的には啓造にシンパシーを感じて読み進みました。
陽子の出自を知った夏枝は...続きを読む
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