Posted by ブクログ
2021年09月13日
プーチン、習近平、トランプ、金正恩、アサド、ホッジャ、ヒトラー、毛沢東、スターリン、カダフィ、金日成
独裁者たちの姿から現代でも独裁の起こりうる危険性を指摘する。
独裁者の権力の源泉を探り、その手腕と独裁に至る背景から体制崩壊まで。
独裁者自らが強権を発動するにではなく。周囲の人物が、密告などの...続きを読む忠誠心競走を通じて独裁者の権力を作り上げていく過程を示す。それは現代の日本でも他の国でも起こりうることだという。
「独裁者は単体では生まれない。ある人物が突如として求心力を持ち暴走を始めるのではない。組織の中で発生した力を組織の内部のさまざまな人間が都合よく利用していくことで徐々に園力が肥大化し、いつのまにか当の本人ですら制御しきれない暴力的な塊としての権力が生まれてしまうのである。」
コロナ禍で、中国的な統制が感染者を抑え込むことなど。自由主義的な価値観より単一な価値観が効率的に思われることも現に起きている。
決して独裁は過去の遺物ではない。
「独裁者の求心力は、個人から生まれるのではない。個人の求心力を都合よく利用する集団と、その求心力に巻き込まれてしまいたいと熱望する人々が、独裁者をつくり出すのである。」
新書なのでやむを得ないがスターリン、毛沢東などもっともっと深く掘り下げた論考を読んでみたかったです。