Posted by ブクログ
2022年08月05日
「昭和レトロ」を感じさせるとして、喫茶店が若い人の間で人気になっている。SNSで、クリームソーダやナポリタンの写真が載っている。
東京喫茶店研究所二代目所長で、平日は会社員をしながら、仕事帰りや休日に純喫茶を訪れる著者。今では、1000軒以上になる純喫茶好きだ。
今回は30店を紹...続きを読む介している。パフェ、プリン・ア・ラ・モード、ホットケーキ、フルーツサンド/トースト、ケーキと種類ごとに取り上げている。
パフェと言えば、やはり資生堂パーラー銀座本店 サロン・ド・カフェだ。創業100年を超えている。
ストロベリーパフェがメニューに登場するのは1959年と意外と新しかった。全国からその時に一番おいしい品種のイチゴを取り寄せている。どこから見ても美しく見えるように盛り付けにも気を配っている。
一度、行ってみようと思ったが、満席だったのを思い出す。
プリン・ア・ラ・モードでは、新橋駅前ビル1号館B1Fにあるパーラーキムラヤのプリン・ア・ラ・モードが印象に残る。創業は、ビルができた1966年だ。このキムラヤで、圧倒的な人気を誇るのがプリン・ア・ラ・モードだ。
美しいガラスの器は二宮クリスタルの「バナナサンデー」という商品で、現在では職人が引退して製造が終了した貴重な器だ。
プリンの周囲にはアイスクリームホイップクリーム、果物が付いてくる。
ホットケーキでは、店の名前とつまようじの刺さったケーキが印象に残るニット。錦糸町にあるこの店、以前はメリヤス工場を経営していた名残で付けた名前だった。
分厚いホットケーキは、注文を受けてから20分以上かけてじっくり焼く本格的な一品だ。バターに刺さっているバターはお客が話している間にバターが溶けてホットケーキから落ちて見た目が悪いから始めた習慣だそうだ。
フルーツサンドでは、赤羽にあるプチモンド。もともと果物屋だったが、二代目が約40年前に「好きなのにむくのが面倒な人に果物を提供したい」と思ったことからパーラーを併設した。
特に人気なのが「フルーツサンド」だ。生クリームは果物を引き立てるために甘さを全面に出さない。果物は7〜8種類使っていて、色あざやかだ。
ケーキで1番インパクトが強いのは、銀座の西銀座デパートB1Fにあるブリッジだ。ここの看板商品は「メロンパンケーキ」だ。1日に約100個も注文される。
パンケーキが3枚重ねている。薄緑色のクリームで表面を包んでいる。そこに生クリームで網目を表現している。間にはメロン果肉と自家製メロンソース、アイスクリームという食べごたえのあるスイーツだ。
飲み物では神保町のさぼうる。1952年創業で名前から怠ける意味かと誤解されるが、実はスペイン語の「味、味わい」から取られた店名だった。昭和30年代ごろはスペイン語の名前をつける店が多かったと聞いたことがあると、去年お亡くなりになった店主の鈴木さんが語っている。
さぼうるのクリームソーダは、緑色・黄色・青色・赤色・紫色・橙色の6色だ。
30店を紹介しているが、1回も行ったことのない店が多い。この本を片手に純喫茶巡りをしたいなあと思う今日この頃であった。