Posted by ブクログ
2021年07月29日
最近のめり込むようにハマっているAマッソ・加納さんのエッセイ本を満を持して購入。加納さんの頭の中がどうなっているのかを知りたくて、少しでもいいところを真似したいと思って、大切に大切に一篇一篇読ませていただきました。
結論:加納さんの真似はできない。天才すぎる。なんなんだこの人は…漫才コントのみならず...続きを読む、作り込んだ文章までこんなに人の気持ちを揺さぶるとは……世界の見方、切り取り方が全然違って、本当に特別な人なんだと痛感した。
自分用に特に好きだったエッセイを列挙する。
・「拳銃!」
加納さんの加納さんに対する「いかに心が乱れていないか」のプレゼンを覗き見できる作品。読んでいてニヤケテしまう。
・「ありがとーぅ」
あいぴー(村上さん)の素敵さが詰まった一篇。
・「両親を愛するようにして、歴史を愛している」
加納さんのワードセンスの起源が記された一篇。あー、だから加納さんの書くネタに惹かれるんだなと納得した。わからない言葉をインプットし続けるって格好いいなぁ…
・「最後に顔にかける布には絶対アイロンあててください」
加納さんのツボを覗き見できる作品。アイロン、アドバルーン、製鉄所…世界の切り取り方が違いすぎる!お手上げです!
・「チョロギです。美味しいです」
チョロギとの出会いからあっという間にチョロギのCM出演にまで妄想が膨らむ最高の一篇。
・「もーれつねえさん」
私もPEANUTS好きだったなーと嬉しくなった。だがこんな風にルーシーのことを見たことはない。同じものが好きでもこうも思考が違うとは…尊敬が深まった。
・「一旦十三時で」
「時間の教科書ください」だなんて面白すぎる。〇時のラベルの付け方がどれもこの上なく共感だった。最近友人と同じような会話をしたな…と嬉しくなった。
・「チューリップ好き?」
ヘコんだ後にポコッと頭の中にチューリップが咲く、とは…咲いたことがない。
・「お前は穴や、」
この本の中で何篇もあった現実と妄想の境目が分からなくなる作品の中で一番好きだった。「さきお風呂はいりー」というために生まれてきた動物・オカン(♀)、面白すぎる。
・「アイデアの初日感」
「アイデアの初日感」「アイデアの二日目顔」という考え方が好き。タイの市場のテーブルクロスを見てこんな風に考えるなんて、これは真似できるものではない。
・「帰路酒」
素晴らしい短編小説。本当っぽくて、でもそんなはずはないよなーとも思いながら読み進めた。最後の最後まで面白い。こんな話何を題材に思いつくんだ…?
読んでいてとても幸せな気分になるエッセイ集でした。大切な本の仲間入りです。