兵站―重要なのに軽んじられる宿命

兵站―重要なのに軽んじられる宿命

2,200円 (税込)

11pt

3.6

ナポレオンも、最強ドイツ機甲師団も、旧日本軍もこれで敗れた!
戦争の本質のひとつは「兵站をめぐる攻防」である。

攻撃する側は「相手の策源地や兵站拠点を破壊し、兵站連絡線となるシーレーンや鉄道・道路(とくに橋梁)の切断を追求すること」に尽き、守る側は「相手の攻撃から策源地や兵站拠点を防御し、兵站連絡線となるシーレーンや鉄道・道路(とくに橋梁)の切断を阻止すること」に尽きる。また、兵站をめぐる攻防においては、戦う双方が「攻撃する側」にも「守る側」にもなっている。戦史や戦争の分析を読むと、勝負を決した主原因としてよく挙げられるのが「兵站」――「へいたん」と読む――である。
しかしながら不可思議なのは、いにしえから「兵站」は重要視されてきたのに、実際の戦いではなぜか繰り返し軽んじられ、多くの兵士が尊い命を落としている……それはなぜなのか?
本書ではまず兵站とはどういうことなのか、小学生の遠足と旧約聖書『出エジプト記』を例にわかりやすく解説する。その後本書を読み進めるうえでの羅針盤となる「カギ」を六つ――「兵站を心臓・血管・血液・細胞などの譬えで説明する」「内線作戦と外線作戦」「マハンのシーパワーの戦略理論と兵站」「ケネス・ボールディングの『力(戦力)の逓減理論』」「作戦正面の長さ・面積と兵站の関係」「地政学と兵站」――示して、各論へと進む。
各論で採りあげた戦役は北アフリカ戦線、バルバロッサ作戦、タンネンベルクの戦い、ミッドウェー海戦、ガダルカナル島の戦い、インパール作戦、日露戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争等である。
本書を読めば、「兵站」について、情報、作戦、実戦、それぞれの面できっちり理解できる。これまで「兵站」を主テーマにした一般書がなかったなか、決定版の登場である。

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兵站―重要なのに軽んじられる宿命 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年12月28日

    積読解消!
    軍事の話は槍の先(戦闘部隊)や頭(戦略・作戦司令部)が真っ先に思い浮かぶ。
    本書は戦闘部隊が戦闘を行う為に必要になる物資やその輸送の話だ。
    旧日本軍やアメリカ軍を例題にして兵站の重要性を説く。この縁の下の力持ちがいればこそ槍の先が動けるのだ。

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    Posted by ブクログ 2022年04月03日

    兵站について、これまでは後方支援能力と理解していたが、その実は地政学と深い関わりのあるものであることが新たな視点となった。

    以下、ポイントを記す。
    「日露戦争の勝利に関しては、日露戦争当時の陸軍参謀本部や海軍軍令部中枢の高級軍人たちは、情報と兵站の重要性を深く理解・認識していた点も注目に値する。」...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年12月30日

    テーマがテーマなので、ややマニアックな内容。基本的には終始、各戦役の詳述・分析。なかでも、太平洋戦争と日露戦争の章がほぼ半分を占めた。かなりその2つについては深く掘り下げているので、初めて知る内容も多く、教養として知れたことは良かった。兵站以外が勝敗を左右した場面もあったので、もう少し総括的な章があ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月16日

    元陸将である著者が、過去の戦役を事例にあげながら、ランドパワー・シーパワーといった地政学的視点を交えつつ、兵站について論考する本。
    兵站という比較的ユニークなテーマを扱う入門書である。

    どういった部分に補給の無理が見られたか、どのように兵站を維持するのか、という戦争の事例研究としては面白かった...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年11月14日

    元自衛隊の陸将である著者が書いた「兵站」に関する本ということで興味深く読ませていただいた。

    兵站とは、武器弾薬をはじめ、数々の戦争必需品等を補給する方法やその補給路を確保することである。

    さすが自衛官が書いた本ということで、現在の日本が世界的にどのような立ち位置にあるかということが如実に示されて...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年11月03日

    兵站とはなんぞや、という問いに発して手にした書。古今東西の戦役の分析から、その問いへの解を得る。現代ビジネスへの応用に期待したが、そこまでは語られず、ある意味ストイックな領域に留まる内容。

    0

    Posted by ブクログ 2020年11月01日

    現代の日本の自衛隊ではそうでは無いと思いますが、太平洋戦争当時の軍隊では、補給(兵站)はそれほど重要視されていなかったようです。

    この本では元陸上自衛隊員である福山氏が、現代の戦争においてもいかに兵站が重要であるかを具体例を示して解説してくれています。戦争という国を挙げての一大イベントを成功するに...続きを読む

    0

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