二重らせん 欲望と喧噪のメディア

二重らせん 欲望と喧噪のメディア

2,420円 (税込)

12pt

4.8

ノンフィクションの傑作『メディアの支配者』から14年、驚異的な取材力と丹精な筆致で知られる著者の、待望の新作。
フジテレビとテレビ朝日は1959年、日本テレビ、TBSに続く民放テレビ第三局、第四局として産声をあげた。
テレビ局が「カネのなる木」だということが明らかになるにつれ、多くの政商、旧軍人、メディア企業、政治家たちが群がった。
なかでもフジ、テレ朝の2社に深く食い込んだのが、出版社「旺文社」を経営する赤尾好夫である。自らが支配するラジオ局文化放送を通じて両社の株を握り、テレビ朝日では東映社長の大川博を追い出し、経営権を握った。
その息子・赤尾一夫もテレビ朝日の大株主として独特の存在感を発揮、さらにマネーゲームへと狂奔していく。テレビの系列化に乗り遅れた朝日新聞はその間隙をつき、テレビ朝日を支配しようともくろむ。
一方のフジテレビのオーナーとなった鹿内家だが、突然のクーデターによって鹿内宏明が放逐され、日枝久による支配体制が確立される。
しかし、その後も、フジの親会社・ニッポン放送株の10%を握る鹿内宏明の存在が、日枝に重くのしかかった。それを振り払うためのニッポン放送、フジテレビの上場が、思わぬ「簒奪者」を呼び込むことになる――。
絡み合うようにうごめく二つの「欲望のメディア」。
膨大な内部資料を入手し、その相貌を赤裸々にする。

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二重らせん 欲望と喧噪のメディア のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    購入済み

    自分が知るフジテレビはこの頃

    2021年05月04日

    自分の上京当時が本書の舞台となる年代だったので懐かしさと、当時一時、堀江さんが一方的に悪者として扱われていたがその裏では村上ファンドをはじめとした多くの人達が暗躍していたのだというのが著者の陰で知ることが出来ました。
    フジテレビの歴史三部作となる本書も非常に面白かったです。

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    Posted by ブクログ 2020年03月22日

    ノンフィクションの金字塔。
    ノンフィクション冬の時代。
    これだけの熱量で書かれたノンフィクションを近年見ていない。
    戦後の旺文社の赤尾家、朝日新聞の村山家、フジの鹿内家、戦後歴代の政治家の濃密な関わりから始まり、ライブドア事件で大団円を迎える。
    上場企業とは思えない属人的な企業統治、社内政治がこれで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年02月17日

    【鹿内はMBOを決断することを促し、最後の説得を試みている。しかし、亀渕は「会社を私たちのものにすることはできません」と尻込みした。
    「ならば、誰のものになればいいんだい」
    「誰のものになっても困ります」】(文中より引用)

    フジテレビとテレビ朝日という日本を代表するテレビメディアの歩みを記した作品...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年02月03日

    この本に溢れている欲の総量にぐったりしました。そして脱法だけど違法ではない株取引のテクニックのオンパレードにも眩暈がしました。2020年、5Gが始まり、NHKはサイマル放送に執念を燃やし、オリパラきっかけにずっと言われてきた通放融合が今度こそ本格化するかもしれません。また4K、8Kへの技術投資を含め...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月11日

    かなりページ数がある大著。それだけに読み応えがあり、ノンフィクション作品としてとても濃密な作品。これだけフジテレビ、テレビ朝日といった巨大メディアの内幕に迫れることに驚愕する。そしてその実情を書き切る著者の熱量と力量に脱帽。

    この本を読むとライブドア事件に至るまでの関係者の攻防、歴史的経緯がよくわ...続きを読む

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