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自由の命運を左右する「狭い回廊」への道は一様ではなく、またそこに留まるのも容易ではない。成長著しい中国の繁栄に潜む罠、世界最大の民主主義国と言われながら、カースト制度という見えない「規範の檻」に縛られたインド、アメリカ合衆国のアンバランスな発展の功罪、南米やアフリカの能力を欠いた「張り子のリヴァイアサン」たち、「足枷のリヴァイアサン」が制御不能に陥ったナチス・ドイツと現代のポピュリズム運動との連続性、幅広い連合の形成によって「狭い回廊」内への移行に成功した日本や南アフリカと、失敗したトルコやジンバブエ――。さまざまな歴史の教訓から浮かび上がるリヴァイアサンの統御法と回廊内に留まるすべとは? ノーベル経済学賞の受賞が有力視される経済学者と気鋭の政治学者が20年におよぶ研究をもとに贈る渾身の書。解説/稲葉振一郎
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Posted by ブクログ 2023年05月27日
同じ著者による前著「国家はなぜ衰退するのか」では、リベラル・デモクラシー+自由主義経済が発展するために必要である一方、強権的政治による収奪的な経済制度が衰退に繋がることを説明したが、続編である本著は同様な主張をさらに精緻化して提示している。具体的には後者にも集権的独裁制度や社会主義計画経済、農奴制、...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年04月26日
国家による暴力・専制や、社会による規範の押し付けや差別などから”自由”を構築するための要件は何かをまとめあげた大作。
上巻では、自由が成立するためには国家と社会の力学が相互に干渉しあいながらバランスする”狭い回廊”の状況下において、自由を圧制しようとする国家と社会の双方の力が制約された”足枷のリヴ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月14日
下巻では地域別の例として、インド、スイス、ロシア、アメリカ、南米などの国々が取り上げられているが、いずれにしてもリヴァイアサンの狭い回廊の範囲を保つバランス、すなわち国家による社会への強制を、強め過ぎず緩め過ぎずの状態に保つことの重要性を理解した。
「プロイセンは軍隊を持つ国家にあらず。国家を持...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月05日
人類の歴史において稀有な「自由を獲得した社会」が、どのように生まれるのかについて考察した本。
誰もが自由を享受したいと思っているが、享受できない国・地域で暮らす人は多いし、享受できている国で暮らす人も、それが続く保証はどこにもない。(本書で紹介される不自由を強いられる人々の話を読むと、自由がいかに...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年06月17日
いろいろなリヴァイアサンの例があり、勉強になります。
不在のリヴァイアサン インドカーストダリット、モンテネグロ、タジキスタン、足枷のリヴァイアサン スイス ポーランド コスタリカ 南アフリカ 日本、ナイジェリア 専横のリヴァイアサン プロイセン ソ連ロシア グアテマラ サウジアラビア、張り子のリ...続きを読む
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