Posted by ブクログ
2021年02月21日
幼女誘拐の犯人と被害者のお話。
誘拐なんてされた事も、もちろんした事もないのに、主人公2人にすんなり感情移入できてしまう。
彼女達の心情が緻密に描かれているからなのか、平穏を求めるごく普通の感性を描いているからなのか。
読者として、彼女達の一人称視点に立って内面をよく知れる特権なのかもしれない。
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事実と真実は違うんだ
言われるとごもっともだと思う事だが、実生活で無意識に事実=真実だと結びつけちゃうんだろうなあと。
自分の身近に同じような境遇の人がいたら、相手に同情したつもりで「可哀想な人なんだ」と一方的な決めつけをしてしまうかもしれない。というか、確実にするだろう。
自分は実生活の中でどれだけ他者の気持ちに寄り添ったつもりで一方的な解釈をしてしまっているのか、自覚症状が無い分かなりタチが悪い。
2021年初っ端に読んだが早くも今年1番面白い本になるような予感。
主人公2人の葛藤も諦めも、全てが結末後の世界で報われてるといいなあと心から願っています。