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世紀末に起こると黙示録に予言されたハルマゲドンを実現するために、悪魔クロウリーが人間の子どもとすり替える手配をした「この世を滅亡させることになる子ども」は、すり替えから11年後に地獄の番犬が届けられるはずところを見に行ってみると何かがおかしい…もしかして、すり替えに失敗してないかコレ? 悪魔クロウリーは、天地創造の昔からの腐れ縁である天使アジラフェールと一緒に、本当の「この世を滅亡させることになる子ども」を探すのだが…。
イギリスSFファンタジー界の超人気作家だったテリー・プラチェットが、当時はまだアメコミの原作者に過ぎなかったニール・ゲイマンの記念すべき小説家デビューともなるこの作品を共著という形で世に送り出したのが1990年。ここで言う「世紀末」とは20世紀が終わるタイミングのことなのに、長らく絶版だった本作は、映像化を機に文庫化された今読んでもおもしろいのです。
カタカナ表記や伏線、そして本文だけでなく注釈にまではみ出すブリティッシュユーモアが満載で、最初は入り込みづらいかもしれませんが、後半で加速度的におもしろさが増幅していきますので、合本版で一気に読むのがオススメ。