草原の覇者チンギス・カンは、従来の騎馬隊に加えて、ボレウに歩兵部隊を、ナルスに工兵部隊を整備させていた。陰山の陽山寨を拠点に、騎馬隊と合流させ、まずは西夏の城郭へと軍を動かそうとする。ジャムカの息子マルガーシは、流れついたトクトアのもとで苛烈な修業を積み、次なる道へと動き出していた。ホラズム・シャー国の皇子、ジャラールッディーンは10歳で、護衛のテムル・メリクと共に旅に出る。予期せぬ邂逅が、二人を待ち受けていた。新たな幕開けの予感をもたらす好評第10巻。
Posted by ブクログ 2021年12月18日
本巻では、前巻までにモンゴルが統一されたことから次の展開に向けた繋ぎのような内容になっている。
一つはボレウの歩兵軍団、ナルスの工兵部隊の編成で騎馬主体のモンゴル軍に新たな兵科が加わる。西夏中興府を試みに城攻めにして戦力錬成を図るが、西夏は生殺し。
また、今後敵対関係に入る筈のホラズム王国の人物...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月28日
チンギスになったテムジン、本人は望まないがどんどん人間離れしていく。
この巻では、そろそろ金への南下を始め、同時に次に打って出る西域の人物も登場し始める。
北の遊牧民が中華を侵略し国を作ることは、中国の歴史では何度も繰り返されているが、南ではなく西へ、西域から欧州、そして海を越えて東へ、日本にま...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月19日
草原を統一したチンギス・カンのその次を、静かにじたばたしながら、兄弟、息子、友、臣下が切り拓いていく。ゆかりある人々のサイドストーリーもなかなか読ませる。相変わらず「会話」がいい。ぐっとくる。しかしここからは、チンギスは「大王」をやらねばならない。その時の会話はどうなっているのか?心配してもしょうが...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月11日
周りの話を書かないと持たない~草原の中で敵意を抱く勢力はなくなった。メルキト族のアインガも説得に応じて帰順した。チンギスは歩兵部隊や工兵部隊を組織して、西夏の中興府を攻め、山岳戦を選ばず、息子たちを西方に、弟たちを東には位置した上で、弟のカサルを司令官として全軍で金国に攻め入った~もうすぐ死ぬよね。...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月22日
チンギスカンを描く歴史小説の10巻目。
いきなりホラムズ国の皇子が出てきて、物語が大きく転換した感じがしました。
旧敵たちのその後が、今後のチンギスと関係してきそうで、登場人物をおろそかにしない著者の漢気もうれしいです。
本巻は、転換期の全体像が描かれつつも金国への侵攻も進みつつあり、次巻での金国...続きを読む
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