「そうです。賀川少尉を殺したのはわたしです」――本書はそんな殺人者の告白から始まる。
第二次世界大戦中期、ビルマの山岳地帯に急拵えの警備隊として配属された賀川少尉一隊。
しかし駐屯当日の夜、何者かの手で少尉に迷いのない一刀が振るわれる。
私怨か、内紛か――。敵性住民が村に潜りこんでいる可能性はないか。
体裁を重んじる軍にあって、少尉の死は徹底して伏され、兵隊と村人の疑心暗鬼は募るばかり。
皆目犯人の見当もつかない中、次なる事件が起こり、騒然となる村人たち。
調べを進めるうちにあぶり出されてきたのは、幾重にも糊塗された過去と、想像以上に根の深いしがらみだった――。
戦争という所業が引き起こす村の分断と人知れず心に宿した復讐の炎。
義侠心と忠誠心の狭間で引き裂かれ、人生をねじ曲げられていく人々の数奇な人生を乾いた筆致で描いた本書は、一貫して人間の本質を見つめ、戦争を描き続けてきた著者だからこそ到達しえた戦争小説の極北。
善悪の彼岸を跳び越えた殺人者の告白が読む者の心を掴んで離さない、衝撃の戦争ミステリ!

ジャンル
出版社
KADOKAWA / 角川書店
掲載誌・レーベル
角川書店単行本
電子版発売日
2017年08月08日
紙の本の発売
2017年08月
コンテンツ形式
EPUB
対応端末
  • Lideo
  • Win PC
  • iOS
  • Android
  • ブラウザ
  • DB50

いくさの底

ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年11月03日

 中国・ビルマ国境、いわゆる「援蒋ルート」近くの小さな村で起こった日本軍将校殺害事件に居合わせてしまった通訳の視点から、二つの国の軍隊に怯えながら生きなければならない村のありようと、軍隊の論理に翻弄されてしまった元日本兵の数奇な運命が描かれていく。軍隊内殺人といえば、奥泉光の『軍艦「橿原」殺人事件』...続きを読む

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いくさの底

Posted by ブクログ 2018年09月03日

戦争ミステリ小説。
初古処作品でした。歴史的背景に詳しくないので、深く読み切れていないかもしれない。
特異な場所での殺人である。現代の価値観では計り知れない真実がある。
ホワイダニットの強烈さは、息をのむ。犯人に圧倒される。

この戦争のリアルさは、タイトルの意味が理解出来たときに、染みわたってくる...続きを読む

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いくさの底

Posted by ブクログ 2018年08月14日

プロローグが謎の犯人の自白から始まる戦争ミステリ。戦時中のビルマの村で発生した殺人事件は、舞台が戦時中というだけではなく、日中緬が絡み合う特殊な場所、特殊な人間関係ゆえ発生する。
登場人物は少ないのだが犯人を当てることは難しい。

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いくさの底

ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年07月14日

第二次世界大戦下のビルマの村を舞台としたミステリー。

作者初読みです。
ミステリーとしては、犯人の想定まではできると思いますが、動機となる真相はさすがにわからないでしょう。
その点からはミステリー的戦争小説といえるかもしれません。
戦時の不条理が人を変えて理不尽な行動に駆り立てるという問題提起をし...続きを読む

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いくさの底

Posted by ブクログ 2018年01月10日

このミス5位。ミステリーというよりは戦争小説だけど、紛れもない傑作。最後の真相が分かる場面の緊迫感は凄かった。

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いくさの底

Posted by ブクログ 2018年01月07日

ビルマのある村で少尉が殺された。誰が、なぜか、戦場ミステリ。正直読みづらかったです。軍隊のことのせいか、それともオオマサ・コマサとか、どうもしっくりこなかったし。より戦争小説の色合いで書かれていたらよかったかな。淡々とした風ですが、日本軍、村人、華僑そして支那の複雑な関係、口を閉ざす人々の空気、最後...続きを読む

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いくさの底

ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年01月07日

古処先生久々に読みました。

本格ミステリランキングに入っていたので。

感想は古処先生だなぁと懐かしく思いました。

ミステリかと言われたらうーん。
強いて言うならフーダニットに見せかけてホワイダニットだったというところでしょうか。

でもあくまで戦争小説

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いくさの底

Posted by ブクログ 2017年12月15日

この著者の作品はメフィスト賞後に戦争文学に移行してからはしばらく読んでいなかったが、今年の各種ランキング本の上位に入っていたので久々に読んでみた。
第二次大戦時、ビルマの村に駐屯した日本軍の警備隊。村人は好意的に見えたが、警備隊の隊長が何者かに殺害される。犯人は隊員か、村人か、それとも侵入を企てる敵...続きを読む

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いくさの底

Posted by ブクログ 2017年12月12日

著者の真骨頂である「戦時下のミステリ」。実際に戦争を体験しているのではないかと思わせる位、軍隊の描写や異国の空気感にリアリティがある。巧い。
動機に納得しかねる部分もあるが、他はほぼ完璧。たまにはこういう硬派な作品も良いな。

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いくさの底

Posted by ブクログ 2017年09月28日

全編を通じてピンと張りつめた緊張感。第二次大戦のビルマ戦線、過剰な説明を排し、読者の基礎知識と読解力を要求しながら、ミステリという読み物としても良く出来ており、人物の葛藤や余韻は文学的でもある。8.0

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