クズばっかりの世界に差し込む、ひとすじの光――。痛快な毒気をはらんだ物語センスが炸裂! 2015年に小説すばる新人賞を受賞した注目作家の、受賞後第一作。自殺未遂を繰り返す女が、入院先の病院で決意する最後の日の顛末とは?―「ラスト・デイ」。冴えない男が事故で手を切断。新型の義手で人生を一発逆転する力を手に入れ―「ロボット・アーム」。メンヘラ気味のキャバ嬢のたったひとつの生きがいは、サメを飼うことだった―「サメの話」。新感覚フィクション、怒涛の全7編。
Posted by ブクログ 2017年09月27日
誰しもが、問題というか、大なり小なりの欠陥を抱えている現実を、夢に夢見てなんとか生きているというリアルさが心にすっと入ってきて惹かれた。
個人的には「ラスト・デイ」と「彼女の中の絵」が好きです。
Posted by ブクログ 2017年08月17日
自殺願望がある女性が
ようやく自殺するかと
思いきや
死にたい気持ちを殺す という展開に
目を見張りました
白昼夢というか
ぼんやりと 魚を眺めているときに
想像する世界のようで
不思議な 短編集でした
Posted by ブクログ 2017年02月13日
この人の一人称小説が好きです。
『ラメルノエリキサ』の主人公のようにアイデンティティを苛む劣等感から自身を護るために過剰に攻撃的な態度をとったり、本書収録「ラスト・デイ」の主人公のように、不意の・所与としての死への恐怖の反転ともとれる意図された・獲得される死への衝動に突き動かされたり。
そういう...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月26日
瑞々しいフルーツの盛り合わせ、ただしちょっと毒入り。
6編の短編で描かれるのは、ピュアな人間の欲。
甘美で、苦く、痺れる。
読むと中毒を起こす。
それがまたクセになるほど、うまい。