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マッドサイエンティストの世界へ、ようこそ
性病、コレラ、放射線、毒ガス……。人類の危機を救った偉大な科学者たちは、己の身を犠牲にして、果敢すぎる人体実験に挑んでいた!
自身も科学者である著者は、自らの理論を信じて自分の肉体で危険な実験を行い、今日の安全な医療や便利な乗り物の礎を築いた科学者たちのエピソードを、ユーモアたっぷりに紹介します。
解剖学の祖である十八世紀の医師ジョン・ハンターは、淋病患者の膿を自分の性器に塗りつけて淋病と梅毒の感染経路を検証しました。十九世紀の医師ウィリアム・マレルは、ニトログリセリンを舐めて昏倒しそうになりますが、血管拡張剤に似た効果があると直感。自己投与を続けて、狭心症の治療薬として確立するもとになりました。二十世紀、ジャック・ホールデンは潜水方法を確立するために自ら加圧室で急激な加圧・減圧の実験を繰り返し、鼓膜は破れ、歯の詰め物が爆発したといいます。
その他にも放射能、麻酔薬、コレラ、ペストなどの危険性の解明に、自らの肉体で挑んだマッド・サイエンティストたちの奇想天外な物語が満載。その勇気と無茶さに抱腹絶倒するうち、彼らの真の科学精神に目を開かされる好著です。
解説・仲野徹
Posted by ブクログ 2021年10月17日
どんな技術にも過去がある。
それもちょっとおバカで探究心溢れる研究者の、ときにはドン引きするような、惹きつけられるような、青ざめるような冒険奇譚が隠されている。
この本はその一端を記しているに過ぎないのでしょう。
私の人体実験の記録として、電気柵が危ないと教えられたのですが、どうして危ないのか大人...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月09日
常人では考えられないような実験が、過去に行われていたことを知った。どう考えても、自分ではやろうと思えないことばかりであった。訳者あとがきにもあったが、「自己保存本能よりも知的好奇心が強い」という人間たちによって様々な実験が行われていたようだ。現在の医学(というよりも一般常識的)では考えられないような...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月27日
本屋さんで欲しい本を見つけた後、他になんか面白そうなものないかなあ、とあてもなく棚を見ているときに見つけた。タイトルを見て、面白そうとタイトル買い。
こういう予定にない本に出会えるから本屋さんはやめられない。
性病、麻酔、薬、食物、寄生虫、病原菌など全17章にわたって様々な人体実験の歴史について書...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年03月27日
ある治療や医薬品などの効果を立証するには、最終的にはいわゆる臨床試験をするしかないわけであるが、この臨床試験とは別の言い方をすれば人体実験である、と言い換えることができる。
もちろん、現在の臨床試験については厳密なプロトコルが定められ、安全性への最大限の配慮がなされているため、人体実験という言葉か...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月09日
人体実験、というとマッドサイエンティストだとか、戦時中の非人道的な行為、というイメージが先行する。
確かに本書に出てくる実験はそういったものもある。
だが、それを、なかったことにできる?
自分に関係ない、と言える?
誰にだって程度の差はあれ、興味はあるでしょう?
私は空気抵抗の実験をしたことがある...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年04月27日
人体実験から現代のサイエンステクノロジーがどのようにして誕生してきたのかを説明している本です。
寄生虫などちょっと気持ち悪い話もありましたが、様々な分野に渡って話が展開され、ワクワクするような話もありました。
読み終わった後は、現代の医学に自らの身体を使って貢献してきた人々に感謝の気持ちが出てきまし...続きを読む
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