思い出す事など 他七篇

思い出す事など 他七篇

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明治四十三年の盛夏、漱石は保養さきの修善寺温泉で胃潰瘍の悪化から「大きな動物の肝の如き」血塊を吐いて人事不省におちいった。辛くも生還しえた悦びをかみしめつつこの大患前後の体験と思索を記録したのが表題作である。他に二葉亭四迷・正岡子規との交友記など七篇。どの一篇も読む者の胸に切々と迫って来る。 (解説 竹盛天雄)

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思い出す事など 他七篇 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年10月08日

    修善寺の大患と言われる、漱石が胃潰瘍の悪化から人事不省に陥ったときの体験談『思い出す事など』。他に二葉亭四迷や正岡子規との交流記など7篇。

    漱石は、幼年期に養子に出されたり戻されたりの不安定な家庭環境を過ごし、その後は留学するものの、当時を振り返って「ロンドンで暮らした2年間はもっとも不愉快」とま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年01月31日

    大病や大けがをすると、人生観が変わる、というのはよく聞く話です。
    自分は幸いなことにそれ程のことは長らく無かったのですが、一昨年に左足踵の骨折という大けがをして2カ月くらい車いす、半年くらい杖突きで暮し、そのときにそういう気持ちはなんとなくありました。
    まあ、コペルニクス的に何かが変わる、ということ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年12月17日

    漱石は小説も面白いが、むしろ随筆や日記の方が面白い。
    本書もその類。

    死の淵から辛くも生き延びた漱石と、逝ってしまった周囲の人々。
    生き延びた悦びと、自分だけが生き残ってしまったことへの言いがたい感慨が、淡々とした筆致の中に情緒を感じさせ印象深い。

    20代の頃は、漱石のよさがわからなかった。
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    Posted by ブクログ 2011年09月04日

    布団の上から身を動かせずに見えるものがこんな豊かで慈愛に満ちたものなのか、そしてそれを表現している文章の綺麗さに感動してしまった。死に近いという一点のみでは、少なくともその気概を持って接する分には若い人には負けない。どっかでこういう言葉を聞いたけど、いやいや、もうただただ頭を垂れるしかない小さな自分...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年01月24日

    「修善寺の大患」と呼ばれる大喀血、そして三十分の死。その前後、夏目漱石は何を思い、どんな風に過ごしていたのか。療養生活を振り返りながら諸処の想いを綴った随筆。ほか「子規の画」「変な音」「三山居士」等随筆を収録。

    以前文庫に収録されていたものを読んだのですが改めて読書。毎年年明け付近には読んでるので...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年10月11日

    いや久しぶりに読んだけど、もう異様な古びなさだね、これは。さすがは文豪の代名詞。
    死に対して徹底的に透徹した視線は圧巻で、「僕もちょっと死んでみるかな」と思わされるほどで。
    『硝子戸の中』もそうだけど、漱石はエッセイにその真骨頂があるように思う。

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    Posted by ブクログ 2021年10月15日

    ★4.0 思い出す事など
    大病を患った時に死を意識した漱石さん。オチのある文章が相変わらず面白いのよ。

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    Posted by ブクログ 2011年08月19日

    修善寺の大患。
    病の中でも、漱石の透徹した洞察力と周りの人々への暖かいまなざしが感じられる。

    特に心に残ったのは、見舞いにきてくれた友人や門下たちに心から感謝する漱石の姿。なんていうか、そんなにストレートに好意を表に出すタイプじゃないと思ってたので・・・。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    これは、「修善寺の大患」と呼ばれる事件の前後のことを語った自叙伝になります。 漱石は1910年に胃潰瘍で入院し、その年の夏、療養のために伊豆の修善寺に赴きます。そこで800gもの吐血をし、一瞬生死の狭間をさまようことになります。ここにはその時のことも詳しく書かれていました。自分では血を吐いたと思った...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    漱石自信の自叙伝的な作品。主に胃潰瘍の療養中のことがかかれています。他にも、二葉亭四迷との交友関係についてもかかれており、興味深い作品になっています。

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