初版 金枝篇 上

初版 金枝篇 上

1,430円 (税込)

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3.7

「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、今なお充分なアクチュアリティがあろう。ここには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物神・神聖王・王殺し・スケープゴートといった、人類学の基本的な概念に関する世界中の事例が満載されているだけでなく、資料の操作にまつわるバイアスをも含めて、ヨーロッパ人の世界解釈が明瞭に看取できるのだから。巧みなプロットを隠し持った長大な物語の森に、ようこそ。

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初版 金枝篇 のシリーズ作品

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  • 初版 金枝篇 上
    1,430円 (税込)
    「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、今なお充分なアクチュアリティがあろう。ここには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物神・神聖王・王殺し・スケープゴートといった、人類学の基本的な概念に関する世界中の事例が満載されているだけでなく、資料の操作にまつわるバイアスをも含めて、ヨーロッパ人の世界解釈が明瞭に看取できるのだから。巧みなプロットを隠し持った長大な物語の森に、ようこそ。
  • 初版 金枝篇 下
    1,430円 (税込)
    著者は二つの問いを立てた。「第一に、なぜ祭司は前任者を殺さなければならないのか? そして第二、なぜ殺す前に、“黄金の枝”を折り取らなければならないのか?」森の聖なる王、樹木崇拝、王と祭司のタブー、王殺し、スケープゴート、外在魂…大きな迂回とおびただしい事例の枚挙を経て、探索行は謎の核心に迫る。答えはある意味であっけないが、モティーフは素朴ではなかった。ロバートソン・スミスのセム族宗教史に多くを負いながら、それと微妙な距離をとると同時に、ルナンへの傾倒を韜晦してやまないフレイザー。本書を手の込んだ文化相対主義的キリスト教起源史と読むこともできる。さて、再び、「金枝」とは何か? 初版完訳、全二巻完結。

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初版 金枝篇 上 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年07月31日

    森の王、聖なる王とは。
    王殺しと再生の供儀の意味。
    大地を肥沃にするために、それを維持するために穀物霊である王をリニューアルしていく。

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    Posted by ブクログ 2015年01月03日

    膨大な世界各地の民族の風習を整理分類し、その行事や習わしの共通性を明らかにしようとした民俗学の名著は、とにかく想像力を掻き立てられる面白さに満ちていた。個々の事例も興味深く、特に2章における王とタブーの話が印象に残っている。曰く、各地で王とは神の代弁者として権力を持つものの、代弁者であるが故に少しで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年11月17日

    表紙裏
    「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物神・神聖王・王殺し・...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年06月17日

    王の入れ替わりに際して古き王を殺すという儀礼慣習に、旧体制の抜本的な破壊を見出してるのかな、と考えながら読んだ。組織的群体を、一本の巨木と捉えて腐り落ちた枝を剪定する様が。

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    Posted by ブクログ 2011年03月30日

    古代のイタリアで、囚人が神聖な森で黄金の枝をとれば、国王と対決できて、勝ったら王様になれるって話なんだけど、何で黄金の枝?何で前の祭司(王)は殺さなきゃだめなの?って話です。
    例がものっそい量あります。(正確かどうかは見極めが必要)
    王様の魂はか弱いから厳重にタブーで守ったり、ほかの所に隠したりして...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年04月23日

    書かれた当時の「未開」や「野蛮」といった視点はまぬがれていないが、比較的ニュートラルで押し付けがましくない(とはいえ、
    考え、見解は示される[「仮に私が正しければ、」p540など]。一般的には小説作品に近い感覚で読めるし、読み飛ばしても十分面白い。忘れることは忘れてしまうが、残るものはずっと残る(こ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年08月07日

    岩波だと五冊だけどちくまだと2巻でコンパクト(分厚いけど)。欧米の物語の根底にあるのはこういう感覚なんだなぁ。

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