蠕動で渉れ、汚泥の川を

蠕動で渉れ、汚泥の川を

1,584円 (税込)

7pt

4.3

“湊かなえ氏激賞!! 「17歳の失敗は、人生の失敗じゃないのだ」と貫多は私に教えてくれた──湊かなえ”。貫多、セヴンティーン! 人生はまだ、始まったばかり。初めての洋食屋でのアルバイトと、波瀾万丈の日々。家を追われ、猛女に怒鳴られ、途方に暮れる。待望の最新長篇<私小説>! 「確かに自分は<青春の落伍者>にはなりつつあるが、しかしながら、まだ<人生の落伍者>には至っていないのだ」。白衣を着てコック帽をかぶった北町貫多は、はじめての飲食店でのアルバイトにひそかな期待を抱いていた。日払いから月払いへ、そしてまっとうな生活へと己を変えて、ついでに恋人も……。労働、肉欲、そして文学への思い。善だの悪だのを超越した貫多17歳の“生きるため”の行状記!

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蠕動で渉れ、汚泥の川を のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年03月07日

    馬鹿と天才は紙一重というか、もはやクズとかろくでなしとかを飛び越え、貫多こそ真のエンターテイナーなのではないかと疑ってしまうほど。
    やっていることがもはやコントの域。下手な芸人より面白い。本人は切実なのだろうけれど。

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    Posted by ブクログ 2017年09月03日

    相変わらずの西村節、ほんとに楽しい。どうせいつかしょうもないことをやらかすんだろうなーいつそれが来るのかなー辛いなーと負のドキドキ感があるのがたまらなくいい。
    著者の作品では珍しい長編だけど、溜まって溜まってカタルシスが来るのがほんとにたまらなくスカッとする。負のスカッとだが。
    やっぱり女性に対する...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年05月28日

    行状の身勝手さや浅ましさが突き抜け過ぎてて爆笑すら催す大傑作。清々しいまでのクズで嫌悪感すらない。あー俺もこう言う気持ちわかるよ、と思いながらも、ここまで酷くはないけどな!と読者を慰めてもくれる。

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    Posted by ブクログ 2016年11月21日

    ジャンルは私小説なのだが、この「貫多」シリーズは水戸黄門やサザエさんとジャンルを同じくする「すばらしきマンネリもの」だ。目指すゴールは主人公、貫多の爆発。

    中卒、職なし、家賃滞納中である貫多がまず行動するのは職探し。この設定は本シリーズのお約束。ベストセラー「苦役列車」では倉庫管理に就いた貫多だが...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月30日

    相も変わらず屑だ。だがそれがいい。人間はかくしてこうあるべきなのではないか?そう考えずにはいられない。そんなわけはないんだけれども。

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    Posted by ブクログ 2016年08月02日

    痛快な下衆っぷりの貫太を久方ぶりに愉しむことが出来た。
    P198以降が本作のキモ。
    人倫の道を疾風のごとく転落していく、小心者のクセして
    無駄に気高い彼の心中描写は秀逸。
    文庫本が出たら是非購いたい傑作。

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    Posted by ブクログ 2020年06月10日

    貫多、十七歳。
    「自分の駄目の上にも駄目を塗り重ねてきた人生」。
    頑張って、欲望を我慢して週払いの食堂の仕事に就いたものの、貯められず、家賃滞納。食堂の上に転がり込んで寝泊まりするも、ビール飲んだり翌日のお店の食事食べたり、募金箱からお金取ったり。自意識も過剰で、人とやっていくのもむずかしい。足掻い...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年10月10日

    結末は分かっているのが、いつになく長い長い平穏に親心のような安堵がすっと胸に流れる。最後までこの調子でいってもらいたいと祈るように行を追うが、終盤に進むにつれ、少しずつ道を外れていく。あっと思った瞬間にはいつもの展開。だけれどもなぜか不思議に明るい希望がある。人生のレールを大きく踏み外しながらも向か...続きを読む

    0

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