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逞しく成長していく若き幕末商人の熱き物語。
長年仕えた店主に気に入られ、勘七は養子になって日本橋の紙問屋永岡屋の主となった。その頃、小諸藩から藩札を納めるという依頼が舞い込んでくる。大仕事に沸き立つ永岡屋だったが、藩には跡継ぎを巡って二分する内紛があった。ある日、店は襲われ藩札は奪われてしまい、父親の善五郎はその時のけががもとで、亡くなってしまう。小諸藩からはわずかばかりの金が払われただけで、2千両もの借金を背負ってしまった。
桜田門外の変で殺された親友の直次郎の墓に詣でた勘七は、紙の手配で話を交わしていた弘前藩のご祐筆・松嶋に会う。直次郎は、松嶋の従弟だった。松嶋は、本名のお京となって実家の日本橋松嶋屋に戻ってきていた。仕事の話をするうちに、二人は心を通わすようになる。
官軍との戦争が始まると噂される江戸は、景気と治安が悪くなる一方だった。勘七は、新三郎や紀之介、勝麟太郎、浜口儀兵衛といった人々との交流を通じて、商いを学んでいく。巨額の借金をどう返済していくのか。
そして、お京との仲は。
友情あり、恋あり、涙あり。熱い思いに満ちた、幕末青春ビジネス小説。
『旅立ち寿ぎ申し候』で刊行された単行本の書名を変更しました。
Posted by ブクログ 2018年09月19日
幕末に生きる勘七、新三郎や紀之介、直次郎の4人の幼なじみである若者たちの友情あり、恋あり、涙ありの青春ビジネス小説。テレビドラマを観るかのようにさくさくと読めた。
冒頭で、仲間だった一人・直次郎は武士に憧れ商人(あきんど)から彦根藩下級武士になり桜田門外の変で命を落とす。彼は悔いていないかのように笑...続きを読む
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