窓の向こうのガーシュウィン

窓の向こうのガーシュウィン

528円 (税込)

2pt

周囲にうまく馴染めず、欠落感を抱えたまま十九年間を過ごしてきた私は、ヘルパーとして訪れた横江先生の家で、思い出の品に額をつける〈額装家〉の男性と出会う。他人と交わらずひっそりと生きてきた私だったが、「しあわせな景色を切り取る」という彼の言葉に惹かれて、額装の仕事を手伝うようになり――。不器用で素直な女の子が人の温かさに触れ、心を溶かされてゆく成長ものがたり。

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窓の向こうのガーシュウィン のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年08月13日

    人と関わる喜びからも悲しみからも距離をおいていた主人公が少しずつ枠をはみ出していく物語。主人公のモヤモヤした気持ちがきめ細やかに言語化されていてすごかった。一方で、あえてモヤモヤのまま残されている部分もあって面白かった。
    人と関わる喜びも悲しみも、全部受け入れる覚悟を持とう。身の回りの人たちにちゃん...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年05月09日

    出会えて良かったと思える本。私が絵を描いているというのもあって、「額装」を中心に主人公が少しずつ変化していく描写が繊細で、少し寂しくて、それでも少しあたたかくなった。個人的にですが、先生の描写を読んでいると、自分の祖母に重ねられて、また、自分の親もそうなっていくのかなと、そんな気持ちが湧き上がってき...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月13日

    はじめは独特な主人公が少し苦手で読み続けるか悩んだけど、友人からの勧めだったのでとにかく読んでみることに。
    結果、言葉や瞬間をひとつひとつ大事にする主人公から沢山考えさせられた。人間なんとなく生きてる。今は情報が溢れすぎているし自分のこと、自分の周りのことをゆっくり吟味する暇なんてない社会になってる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年03月18日

    ななんということもない毎日が
    宮下奈津さんの手に掛かると
    なぜこんなにも温かくじわっとくるのだろう。

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    Posted by ブクログ 2022年02月15日

    未熟児で生まれた20%前後に発達障害があるという。そんな“私”が出会った先生、あの人、隼たちとのかかわりによって様々なことに気づいていく物語。読後、サマータイムの歌詞が深く胸に刻まれる。私も毎日おかえりと応えてくれる声を願っている...。

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    Posted by ブクログ 2022年01月23日

    額装、っていう仕事を通して、
    思い出、瞬間、気持ち、に目を向ける、切り取る、っていう行為が繰り返し描かれてて素敵だなぁとおもった
    しあわせな景色を切り取る。

    こういう、専門的な職人さんを描くのは宮下奈都さんらしい気もする
    描写が丁寧で、短編とはまたちがった良さ☺️

    耳が聞こえにくいとか、未熟児と...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年12月22日

    とても好きな作品でした。
    主人公が自分のことも周りのことも見えるまま、聞こえるまま受け取り、それ以上にもそれ以下にも膨らませない感覚が好ましかった。
    独自の目線を持っており、感情を食べ物に置き換えたり、加減乗除の法則など出来事と感情を結びつける事がとても上手だなぁと感じた。
    感覚が敏感だからこそ、言...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年10月30日

    未熟児なのに保育器にも入れられずに成長が遅れてしまった為に19歳で中学生の様な女の子の佐古さんは、周囲にうまく馴染めず、欠落感を抱えたまま生きて来た。そんな佐古さんがヘルパーとして勤めることになった額装屋でその独特で不思議な感性を見出され、生き場所を見つけて行く。

    どことなく小川洋子さんを思わせる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年08月06日

    主人公の性格が本当に好き。

    彼女自身におごりが全くないから、冷静に物事を見ることができている。

    その俯瞰してみる見方が実に見事。
    起こること、出会うひとをよく分析していると思う。

    「私には意味がないよ。価値もないかもしれない。だけど、私が額装を手伝うことには意味があるし、価値もあるよ」

    と佐...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年08月02日

    とても良かったな。
    博士の〜を思い出した。
    この作者の作品をどんどん読んでみたいと思った。
    良かった!
    エラ・フィッツジェラルドのサマータイム、必ず聴いてみよう。

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