ポトラッチやクラなど伝統社会にみられる慣習、また古代ローマ、古代ヒンドゥー、ゲルマンの法や宗教にかつて存在した慣行を精緻に考察し、贈与が単なる経済原則を超えた別種の原理を内在させていることを示した、贈与交換の先駆的研究。贈与交換のシステムが、法、道徳、宗教、経済、身体的・生理学的現象、象徴表現の諸領域に還元不可能な「全体的社会的事象」であるという画期的な概念は、レヴィ=ストロース、バタイユ等のちの多くの思想家に計り知れない影響とインスピレーションを与えた。不朽の名著、待望の新訳決定版。人類社会のアルケーヘ。

ジャンル
出版社
筑摩書房
掲載誌・レーベル
ちくま学芸文庫
電子版発売日
2015年06月26日
コンテンツ形式
EPUB
対応端末
  • Lideo
  • Win PC
  • iOS
  • Android
  • ブラウザ
  • DB50

贈与論

Posted by ブクログ 2015年05月24日

贈与論
人やモノを全て含んだ円環状の贈与体系をトロブリアントの民族からの実地調査をもとに検証している。また、贈与をするための霊的な感覚による根拠(ハウなど)を同時に示し、人類の経済の基層に贈与・交換があることを明らかにした。
ハウとは、何か物を与えられたら、人に与えなければならない。そうしないと、落...続きを読む

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贈与論

Posted by ブクログ 2012年11月07日

[メモ(暫定)]一連の研究の問題意識は「未開あるいはアルカイックといわれる社会において、受け取った贈り物に対して、その返礼を義務づける法的経済的規則は何であるか。贈られたものに潜むどんな力が受け取った人にその返礼をさせるのか」であり、モースが分析の対象としたポトラッチやクラは以下の特徴をもっている。...続きを読む

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贈与論

Posted by ブクログ 2011年11月27日

全人類に共通する慣習「贈与」。

これは、単に与えるだけではなく、受け取った側が返礼の義務を負うという点に特徴がある。
また、贈与に対する返礼といっても単なる物々交換ではなく、宗教的・法的・競争的・経済的・政治的な要素を多分に含んでおり、それらは全て集団的である。

本書は、世界各所および、あらゆる...続きを読む

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贈与論

Posted by ブクログ 2009年08月29日

 特に一部の地域コミュニティでは、人間の活動は贈与で成り立っている。そこには、霊とのつながりから導き出される現所有者との
過去所有者とのつながりがある。それが、恐らく地域コミュニティにおいての不和をなくさせてきたのかもしれない(もしかしたら、逆なのかもしれないが)。
では、なぜ現代社会では不和がすぐ...続きを読む

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贈与論

Posted by ブクログ 2015年01月07日

「贈与」という儀式の体系化を図る上で欠かせないこの名著。せっかくなのでクリスマスの時期に読んでみました。

まず感じたのは、なぜ贈与にフォーカスしたか、というのは、そもそも異なる文化を持つ人々が出会った時、最初に行われる行為である、ということ。最初に行われる、ということはたとえ文化が異なっていても、...続きを読む

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贈与論

Posted by ブクログ 2014年09月11日

ポイントは、元の持ち主の力が宿っている、というところですね。現代に置き換えると、たとえば楽天市場で自分の顔を出して商売している人がいるとします。その商品(お酒でも、チャーシューでも、果物でもいいですが)を買うことで、その商売している主人の人柄も買っているような気になることはないでしょうか。すごく気に...続きを読む

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贈与論

Posted by ブクログ 2013年08月26日

ドイツ語におけるGiftは「毒」の意味も併せ持っているというのは象徴的だ。そう、資本主義が商品の売買によって他者との関係を築くのに対して、それ以前の未開社会は相互の贈与によって他者との関係を築き、それは政治や法律の代替として機能していた。だからこそ贈与には受領や返礼の義務が付随するのであり、それは又...続きを読む

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贈与論

Posted by ブクログ 2012年06月10日

本書は、経済は市場経済だけではないという論証になっていると思うので、市場経済に苦しめられている私としては救われる書物であった。
贈与経済を実践するためには、贈与を義務としてとらえるというマインドや贈与先の無数のリストを保持するという条件が必要だが、未開社会や原始的な社会においては、神話や呪術や宗教や...続きを読む

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贈与論

Posted by ブクログ 2012年01月03日

贈与と返礼を巡る考察。豊富な具体事例も魅力の一つ。

古代社会・未開社会での経済を考えたとき、「物々交換」とは異なる原理が存在するのではないか、ということを事例を引きながら丁寧に説いている。本文中の引用に留まらず、注釈部においても多く事例が掲載されており、読むのにとかく時間がかかった印象。それだけに...続きを読む

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贈与論

Posted by ブクログ 2011年11月08日

ほぼ世界の全域にわたる地域に関する資料を渉猟し、古代の法に関する文献を蒐集することによって、贈与、受領、返礼を義務とする文化が、太古から人類のあいだに、しかも地域を横断する仕方で息づいていることを、比較文化的に浮かび上がらせる文化人類学の古典的研究であるが、そのアクチュアリティは、発表から85年以上...続きを読む

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