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橘あきら。17歳。高校2年生。彼女が恋をした相手は、バイト先の店長。ちょっと寝ぐせがついてて、たまにチャックが開いてて、後頭部には10円ハゲのある、そんな冴えないおじさん。28歳の年の差をものともせずにあきらは積極的に店長に恋心をアピールするが、肝心の店長の方はというと、世間体は気になるし、女子高生の扱いは分からないし、自分に自信はないしで、なかなか距離を縮められない。三歩進んで二歩下がる、を繰り返すスローテンポがもどかしくもあり、愛しくもある。
タイトルにも「雨」という語があるように、この作品において天気や季節が担う役割はとても大きい。登場人物たちの心理を際立たせる演出道具になったり、あるいはその時々での状況を変えるきっかけとなったりして、作品に奥行きと説得力を持たせている。楽しかった部活の元後輩を見送ったあきらが仰ぎ見た空の、抜けるような青さや、二人で木の下でしのぐ雨がもたらす緑の匂い。
例え空が晴れても、雨が降っても、彼女たちが笑ったり泣いたりしている内に、次の季節はすぐにやって来る。春の空気の温かさ、夏に降る雨のあとの土の香り、秋雨の肌寒さや、りんとした冬の静けさが、コマを追うごとに読者の私たちをも包み込む。登場人物の一人一人にも過去と未来があって、通りすぎる季節があるのだと気付かされる。
Posted by ブクログ 2020年02月10日
”恋は雨上がりのように“とーーってもよかった!
なんだろう、こうしたいこうなりたいそんな気持ちを大事にしてあげたくなるマンガだったなって。転んでも立ち止まってもいいんだと、ぶつかって悩んでかんがえてそんな時間が雨上がりにようにまぶしい光となるんじゃないかな。
みんな魅力的なキャラクターで描かれてい...続きを読む
羅生門で雨宿りしていた下人と老婆のすれ違いみたいな「羅生門」を意識したストーリー設定かな?爽やかな終わり方と言えばそうだけどあきらはそれでよかったのかなあと考えてしまったな。
主人公たちの気持ちをはっきり言葉にせず、その代わりに雰囲気などで表現するのがこのマンガの味だと思う。言葉にされてない分、読者が読者の言葉で推測できる。
この終わり方が炎上したようだけど、何を期待していたのか。美しい終わり方だった。また、次の展望への糸口も残しつつ、余韻が続く。二人の今後の人生の幸せを願わずにはおれない。
「恋は雨上がりのように」
2018年5月25日~
出演:小松菜奈、大泉洋ほか
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