歴史探索の手法 ――岩船地蔵を追って

歴史探索の手法 ――岩船地蔵を追って

660円 (税込)

3pt

3.8

過去の暗闇に隠れている出来事を発掘しその意味を考えることから歴史探究は始まる。本書は、岩船地蔵と刻まれた一体のお地蔵様の発見から始まる、歴史探索のプロセスを開示したものである。関東甲信・静岡の各地に散らばる地蔵を捜索し、関連の文字資料を発掘する過程で、江戸中期の享保四年(一七一九年)に、下野国の岩舟を出発点にして地蔵が村から村へ送られ、地蔵が通った各地の村に「岩船地蔵」が建立されたことが明らかになる。なぜこのような流行仏が出現したのか。何気ない路傍の地蔵から、歴史と民俗の織り成す豊かな水脈へと読者をいざなう

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歴史探索の手法 ――岩船地蔵を追って のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2014年09月30日

    享保4年、岩船地蔵が関東地方に大流行したことがあった。着飾った念仏踊りとともに村から村へと村送りされ、武蔵、信濃、甲斐、駿河、遠くは越後まで伝搬した。この本では岩船地蔵そのものよりも、その流行の内容を文書、石仏など実際の事物に則して30年にわたって調査したものである。そして地道な調査というのは文字通...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年07月27日

    積ん読状態から解放すべく読んだ。

    享保4年(1719)、関東西部の村々に突如大流行した岩船地蔵。
    各地に残った文書や岩船地蔵を元に、流行の経路や当時の人々の熱狂を掘り起こす、という内容。

    あらましを一読するだけでわかるこの地味さ。
    けれども、路傍にただ佇んでいた石仏が調査によって意味を取り戻して...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年05月09日

    一つ一つの事例は断片に過ぎないが、それが蓄積されるとそこに全体像が浮かび上がってくる。結論を急がずに継続していくことが成果になると言うこと、研究は一人でできない。大勢の人の協力と支援が必要であると言うことを、享保四年に関東甲信と静岡で流行った岩船地蔵建立ブームの実体と謎に対する30年に及ぶ研究の過程...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年06月13日

    享保年間に民間信仰として流行を見た「岩船地蔵」の謎を追っていくことで、民俗学と歴史学の2つの学問が、それぞれ異なる結論へと導かれることを示した本です。

    岩船地蔵に関する文字資料によって明らかにされた史実は、「岩船地蔵」信仰の流行が、村の秩序からの一時的な解放をもたらす熱狂を村々にもたらしたというも...続きを読む

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