砲撃のあとで

砲撃のあとで

495円 (税込)

2pt

3.6

【第69回芥川賞受賞作】「少年は疾走していた。木々の葉の間を縫って光は斜めに射し、放射する幕のなかで狂ったような霧が踊っていた」。敗戦で秩序の破壊された大陸で、無法と死に追われる少年の目に、飢えと疾病に晒された世界が焼きつく。芥川賞受賞作「鶸」をはじめ「砲撃のあとで」「曠野」「竪笛」「流れのほとり」など、戦争の生々しい傷あとを描く連鎖状作品を集める。表題作含む14編を収録。

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砲撃のあとで のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2014年03月30日

    合計で短篇及び掌編を14篇収録。篇中の「鶸」は、1973年上半期芥川賞受賞作。大連(小説中には地名が書かれていないが)で、終戦を迎えた時、著者は10歳。それとほぼ等身大の主人公の眼を通して、終戦から引揚げまでの混乱期が活写される。芥川賞の選考委員たちの選評は必ずしも絶賛というわけではないが、それは素...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年11月26日

    近年の三木作品にはやわらかな温かさを感じるが初期作品には感じないのは、書いた三木さんが若かったからかな、と思っていた。
    本書を読んでその冷徹さが理解できた気がした。
    満州引き揚げ前後の日々を描く連作短編集。
    死と隣り合わせで生きる少年の毎日。常に飢えている。
    生きるためには泥棒もする。
    引き揚げ途中...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年06月21日

    小説においてリアリズムこそが素晴らしいと言うわけではないと思うが、リアリズムが素晴らしい作品。
    無慈悲であることに対しての救いを求めるのではなく、祈りたくなる作品。

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    Posted by ブクログ 2017年10月30日

    主人公は10歳の少年です。最初の「朝」で敗戦を知り、最後の「朝」で日本への連絡船に乗ります。それまでの間の、寒さや飢えに対する生存競争が語られます。それは悲惨です。一方何故か、満州人による日本人虐待については、ほとんど描かれて居ません。無かったのか、体験しなかったのか、あえて避けたのか。
    時に少年...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    満州国崩壊後、引揚船に乗るまでを、少年の目で淡々と描いた短編小説の『連鎖状作品』芥川賞受賞。
    子供の目に生々しいのではなく、淡々としているが、父や祖母、汽車で乗り合わせた人たちの死、『いつもいつも死に襟首をつかまれている』状態で西までたどり着く。逞しいというより、子供ならではのすばしこさで切り抜き、...続きを読む

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