ライラックの蕾は膨らんでいても外套を着ている人が多い4月末のロンドンに着いた主人公は、赤い2階バスも通る道に面した家に落ち着く。朝早くの馬の蹄の音、酒屋の夫婦、なぜか懐かしい不思議な人物たち。娘や秋山君との外出。さりげない日常の一齣を取りあげ、巧まざるユーモアとペーソスで人生の陰翳を捉え直す、純乎たる感性と知性。ロンドンの街中の“小沼文学の世界”。平林たい子賞受賞。

ジャンル
出版社
講談社
掲載誌・レーベル
講談社文芸文庫
ページ数
240ページ
電子版発売日
2014年03月28日
コンテンツ形式
EPUB
対応端末
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  • ブラウザ

椋鳥日記

Posted by ブクログ 2010年06月07日

小沼氏のロンドン滞在記。氏の軽妙な自意識と現実という外界の接面がたてる心地よい軋み。解説を読むまでほぼ100%実際の記録と疑わなかった僕も読者として相当鈍いのかも知れないが、これが本当に計算された物語であるなら何と巧妙な書き手であることか。おぬまたん、恐るべし!

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椋鳥日記

Posted by ブクログ 2010年06月06日

ロンドン滞在雑記というか、紀行文といおうか、そういった類のものではあるのだけれど、そう合点して読み進めていくと、いきなり面食らう事がある。
それを引くと、下記のような部分だ。
 ~仏蘭西窓越しに陽射の明るい裏庭をぼんやり見ていたら、うつらうつら睡くなった。
 何だか妙な音楽が聞こえて、裏庭の黄色い土...続きを読む

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椋鳥日記

Posted by ブクログ 2010年02月23日

小沼さんのロンドン暮らしの随筆。普段からユーモラスなのに、そんな人がロンドンの話を書くんだからめちゃくちゃ面白いよこれ。小沼さん独自の、人や季節を書き留める視点がたまらなくいい。いいんだよーなんでみんな小沼さんを知らないのかしら。いいですよとても。

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椋鳥日記

Posted by ブクログ 2011年08月28日

4月末のロンドン。赤い二階バスも通る道に面した家に越してきた主人公が、何気ない日常や不思議と懐かしい人々・風景の姿を綴る。

のんびり、淡々とした、日記(随筆?)風の小説集。
読んでいて「これは著者の実体験なのかしらん?」と何度も思ったが、一応「小説」であるらしい。

何気ない日常のよしなし事が、淡...続きを読む

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椋鳥日記

Posted by ブクログ 2008年10月08日

 約束した日の四時頃,デイヴィッドは秋山君を案内役として訪ねて来た。酒を飲むのだから地下鉄かバスで来いと云って置いたのに,車で来たと云って笑っている。歯の具合は益宜しくないが,客を招いて置いて相手をしないのは紳士道に悖るだろう。歯が悪いから何も口に入れたくないが,ウイスキイは液体だから歯に関係は無い...続きを読む

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