この作品は、いままでの伊坂幸太郎作品とは違います。意外性や、ハッとする展開はありません。あるのは、天才野球選手の不思議なお話。喜劇なのか悲劇なのか、寓話なのか伝記なのか。キーワードはシェイクスピアの名作「マクベス」に登場する三人の魔女、そして劇中の有名な台詞。「きれいはきたない」の原語は「Fair is foul.」フェアとファウル。野球用語が含まれているのも、偶然なのか必然なのか。バットを持った孤独な王様が、みんなのために本塁打を打つ、そういう物語。
ユーザーレビュー
Posted by ブクログ 2016年07月12日
読みやすい。
野球のことを知っている人なら非現実的すぎるかもしれないが、それでこそ本書が成り立つのだとおもう。子どもに英才教育をさせたい人にもおすすめの一冊です(笑)
Posted by ブクログ 2016年05月06日
連載・単行本化・文庫化と3段階の進化を遂げたらしい作品。
さすがに文庫化にあたって手が入れられているだけあって、しっかりと編み上げられた不思議な世界が楽しめる。
野球よりもよほどマクベスのことが分かっておらず、自分の教養不足を痛感。
マクベスを勉強してからもう一度読めたらいいかな。
Posted by ブクログ 2015年08月30日
もし、これが戯曲なら、なんてひどいストーリーだろう!
そんなポルノグラフィティの「アゲハ蝶」のワンフレーズを送りたくなる一冊だった。こう言うと誤解されそうだけれども(というか当然ながらされると思うが……)、決して悪い意味での感想ではない。ただ淡々と、そう思った、そう感じたというだけのことだ。
弱...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年06月10日
“Fair is foul, and foul is fair.”(p.5)
世の中に正邪の明瞭な境界線は存在しない。それは、各々の考え方に依存するものであり、無数に存在するものだから。
だけど、王様は曖昧なファウルラインなんて歯牙にも掛けない。フェアゾーンへ誰の目にも明らかなホームランを打つ。...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月20日
作品の内容からすると、メタな感想になってしまうのだけれど、おもしろいのかそうじゃないのか釈然としない作品。後からジンワリ効いてきそう、というか…
Posted by ブクログ 2018年09月20日
あまり良い評判を聞いていただけにいい意味でびっくり。導入も興味深いし、以降も山田王求という異質な存在を核として、王求自身よりもむしろその周囲を描くことで、ますます特異性を際立たせていく。突拍子もない展開や、三人の魔女を始めとしたファンタジックな設定などが気になる向きもあるかもしれないが、そもそも王求...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月24日
完全版が出ていたことは、たった今、登録するために検索して初めて知りました。少々勿体無いことをしたのかもしれませんが、古本市で偶然出会ったのだから仕方ありません。それに装丁も素敵なので満足です。そんなわけで古本市で一冊、と思ったときに目に入って。野球の話であること、フェアとファールの境界線という言葉が...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年10月17日
ふむ。不思議な内容でした。小説、というより、寓話?みたいな感じ。
シェイクスピアの、おそらく超絶に有名であろう戯曲「マクベス」の中の一文
「Fair is foul,and foul is fair.」
「きれいはきたない、きたないはきれい。」
という一文から、伊坂幸太郎さんがインスパイアされまく...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年04月10日
あいかわらずケッタイな読後感。
予告ホームランと輪廻転生を描きたかったのか?
ループの様にエンドレスな話だ。
まあまあ。