21歳の多喜子は誰にも祝福されない子を産み、全身全霊で慈しむ。罵声を浴びせる両親に背を向け、子を保育園に預けて働きながら1人で育てる決心をする。そしてある男への心身ともに燃え上がる片恋――。保育園の育児日誌を随所に挿入する日常に即したリアリズムと、山を疾走する太古の女を幻視する奔放な詩的イメージが谺し合う中に、野性的で自由な女性像が呈示される著者の初期野心作。

ジャンル
出版社
講談社
掲載誌・レーベル
講談社文芸文庫
ページ数
416ページ
電子版発売日
2014年02月28日
紙の本の発売
2006年04月
コンテンツ形式
EPUB
対応端末
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山を走る女

Posted by ブクログ 2014年01月25日

日本の現役作家では、津島佑子が好きだ。それこそ段違いに抜けた小説群だと思う。
シングルマザーという言葉も生まれていない時代に、私生児を育てる決意をした21歳の若い主人公。殴る実父、病む実母、乳児の入院、職探しの挫折。暗澹たる生活描写が続くなかで挿まれて描かれる育児日誌が哀切で、雄弁。文章が流麗なわけ...続きを読む

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