わずか百年にしかすぎない日本近代史が、これほど大きな謎を包含してきたことに読者はあらためて驚かされるにちがいない。木霊が語り風が生きものだったころの民話をさがして村を訪れた筆者は、古い老尼殺害譚を契機に血ぬられた村の歴史を掘りおこし、村に富と騒擾とをもたらした一本の道を追求する……。本書は、男たちの欲望と機織り女のエロスの唄によって撚られた謎の道シルク・ロードの全貌を貴重な証言と豊富な聞き書きによって実証し、開港前のブラック・マーケット=横浜の姿や近代日本の性格を決定的にしたペリー来航の隠された目的などをここにはじめて明らかにする。画期的傑作長編ドキュメント。
- ジャンル
- :
- エッセイ・紀行 / エッセイ
- 出版社
- :
- KADOKAWA / 角川書店
- 掲載誌・レーベル
- :
- 角川文庫
- 電子版発売日
- :
- 2014年02月28日
- コンテンツ形式
- :
- EPUB
- 対応端末
- :
-
- Lideo
- Win PC
- iOS
- Android
- ブラウザ
ユーザーレビュー
Posted by ブクログ 2015年04月16日
「呪われた」というタイトルだが、感覚や念に左右されずにしっかり調べたルポタージュ。著者は「男たちの大和」の原作者。
娘を機織業の名主の元に売る父親。代金は一晩の飲み代くらいにしかならない。
そして、空腹や貧乏は何よりも辛い。女工たちの生き方、性、悲しみなども記されている。
明治期の絹の道(神奈川往還...続きを読む