同居していた恋人が出て行った。出て行けと言ったのは私だ。あんなに泣いた晩はない。(「裸にネルのシャツ」)母ちゃん、脳卒中で死んだんだって? 自殺が趣味みたいな人だったのに(「表面張力」)会うのも会わないのも、決定権はいつも相手にある。(「片恋症候群」)永久に続くかと思ったものは、みんな過去になった。物事はどんどん流れていく――。数々の喪失を越え、人が本当の自分と出会う瞬間をすくいとった、珠玉の短篇集!
- ジャンル
- :
- 小説 / 国内小説
- 出版社
- :
- KADOKAWA / 角川書店
- 掲載誌・レーベル
- :
- 角川文庫
- 電子版発売日
- :
- 2014年02月28日
- コンテンツ形式
- :
- EPUB
- 対応端末
- :
-
- Lideo
- Win PC
- iOS
- Android
- ブラウザ
ユーザーレビュー
Posted by ブクログ 2016年09月04日
ドーナッツ・リングという作品がとてもよかった。人生に起こる些細なことのすべてがドラマなのだと教えてくれる。
Posted by ブクログ 2013年11月13日
どこにもなくなったなにかが、あったことを思い出すあの気持ち。ネルシャツの話と指輪の話がすごくよかった。
Posted by ブクログ 2011年09月09日
ひさびさに読んだ山本文緒。
初めてこの本を読んだ時、わたしはまだ高校1年生くらいだったと思う。
その頃何度も何度も読んで、ストーリーもほぼ覚えているはずなのに、
それでも今再び読んでみると、
心が抉られるような、いとおしいような、不快なような、
そんな気持ちが褪せることなく沸き上がる。
むしろあ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月23日
それなりに懸命に生きている人たちだが、何かにしがみついてしまう、そして何かを失ってしまう危うい感じが満載。それぞれの心の底に横たわる淋しさが、あざとくない筆致に絡められていて、どの登場人物たちにも惹きつけられていく。結論の引き方も、余韻を残しつつ、でも絶望だけではない感じに救われる。
Posted by ブクログ 2015年04月06日
山本文緒さんの作品、好き。
読者層の大半は女性なんだろうけど、なぜか登場人物の心情にわりかし共感できる。
各話の結末、オチを読者にいい塩梅で委ねるのも
安っぽくなくて、考えさせられて気持ちいい。
恋愛も人生も一筋縄ではいきまへんなー(20代男性)
Posted by ブクログ 2014年10月14日
各ストーリー内で喪失のあとにもどこか前向きで重苦しさがない。一方で、私は何かを失くして後悔して執着して…。
いずれ、失くしたことも忘れて、毎日が回っていくんだろうか。ある意味、希望を見出せるような短編集だったけど、今の私にはうまく消化できません。
この歳で失恋をして本を読み漁っています。
再読
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Posted by ブクログ 2014年06月26日
再読。10年以上前だと思います。
暗いなあ、心がキュッと痛くなって辛いなあと思っていたら、「喪失」がテーマだったそうで。
なるほど痛くなるわけだと思いました。
表題作と、ドーナッツ・リングが好き。
ハムスターはちょっとオチが苦手だけど、その他はみんな良かった。
Posted by ブクログ 2013年11月18日
針に糸を通すかのような、繊細さに驚いた。経験をある程度積んだ30代(くらい)の内面が描かれている。
主人公たちは経験を積んでいるから、あれこれ考える。
その描写がまた細かい。
・好きな後輩のことを追いかける女性社員
・財布を忘れて動転する新婚女性
・女子大生とのやりとりを通じて過去の想いと決別し...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月19日
なにか失くすと、もうダメだーって肯定的になれないけど、登場人物たちは失くした先になにか見つけていく。答えが描かれて訳じゃないけど、失くした先に大切なことが見えるかもしれないと思える作品でした。