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行商人のロレンスは、馬車の荷台で麦の束に埋もれて眠る少女を見つける。 少女は狼の耳と尾を持つ美しい娘で、自らを豊作を司る神・ホロと名乗った。 「わっちは神と呼ばれたがよ。わっちゃあ、ホロ以外の何者でもない」 まるで経験を積んだ大人のような話し方で、ロレンスを巧みに翻弄する少女。 「お前は、本当に神なのか?」 最初は半信半疑だったロレンスも、やがてホロが旅に同行することを承諾する。 そんなふたりの旅に、思いがけない儲け話が舞い込んでくる。 近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。 疑いながらも、ロレンスはその儲け話に乗るのだが……。
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まさかの商業ファンタジー、楽しみながら貨幣経済や商取引が学べてしまう恐るべき(?)ラノベ!
中世ヨーロッパ風の世界観というと様々な作品がありますが、本作はメインとなる要素がかなり異色。主人公は25歳の行商人ロレンス、武器とするのは商人としての知恵や経験、発想力や交渉術とバトル要素はまるで無し、剣も魔法も使いません。
商人なので勝負事は商売関連なのですが、これがまたどういう訳か物凄く熱い!
騙し騙され裏を読んで裏をかく……全霊を掛けた商売の駆け引きはバトルにも負けない緊張感があるんですねー。
ひょんなことから狼っ娘ホロと旅することになるロレンスですが、この狼っ娘が侮れない。
少女の姿ながら数百年を生きる賢狼で知恵も機転も凄まじく行く先々でロレンスはもちろん歴戦の商人達も唸らせます。しかし普段は飄々としつつ時折弱さや儚さを見せることもあり……二人の行く末にも注目です!
緻密なストーリー構成で推理モノや裁判モノに通じるハラハラ感とカタルシスがあり、それでいて文体はとても読みやすい本作。ラノベを敬遠する人にもぜひ読んでもらいたい一作です!
Posted by ブクログ 2024年02月07日
再アニメ化すると知り久しぶりに読みました。
読もうとしたら見つからず本屋へ走って再購入。
2006年初版なのでもう17年?18年?も昔。
よみはじめたら読み始めたら記憶が蘇り懐かしくなりました。
昔と変わらず本の世界に浸れました。
小学生の頃は意味不明だった為替の話など今回再読して理解できました。
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Posted by ブクログ 2021年11月28日
中世・貨幣や流通が未発達な中生きる
行商人ロレンスと賢狼と呼ばれる神様「ホロ」のお話。
作者が中世の経済関係、世俗習慣等に関してかなり精通しているのがわかる。
長年の間、独りで生き続ける賢狼の苦悩も垣間見える
…と真面目に書いてみたけれども、実際のところは二人の付かず離れずのやりとりがなんとも微笑...続きを読む
行商人・ロレンスと、賢狼・ホロが出会って旅する話。中世西洋の行商人ってこんな感じなのかな~と興味深かったです。麦や胡椒の価値とか金銭だけでないやり取りとか銀貨の銀保有量の話、面白かったです。続巻が沢山あり長く続く物語の様なので、楽しみつつのんびり読み進めたいと思います^^♪
Posted by ブクログ 2019年04月10日
行商人ロレンスが出逢った少女は狼の耳と尻尾を持っていた。彼女は自らを豊作の神ホロと名乗るのだった。
21世紀のラノベを読んでいこうと、今更ながらにアレコレと手を出しています。
中世ヨーロッパを模した世界を舞台にしたファンタジー。さて主人公は? 伝説の勇者の血を継ぐものでもなく、戦士でもなく、魔法使...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年12月29日
この本を読んだ後の第一声は「どうして出版当時に読まなかったんだよ私のバカ―!」でした。
分かりやすく整合性のとれた高い文章力、勉強に裏打ちされた中世ヨーロッパの歴史・経済・文化・情景の正確かつ深い描写、そして「ラノベ」で「中世ヨーロッパ的世界」が舞台でありながら「経済」に着目するその面白さ…。まさ...続きを読む
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