「わだしは小説を書くことが、あんなにおっかないことだとは思ってもみなかった。あの多喜二が小説書いて殺されるなんて……」明治初頭、十七歳で結婚。小樽湾の岸壁に立つ小さなパン屋を営み、病弱の夫を支え、六人の子を育てた母セキ。貧しくとも明るかった小林家に暗い影がさしたのは、次男多喜二の反戦小説「蟹工船」が大きな評判になってからだ。大らかな心で、多喜二の「理想」を見守り、人を信じ、愛し、懸命に生きたセキの、波乱に富んだ一生を描く感動の長編。

ジャンル
出版社
KADOKAWA / 角川書店
掲載誌・レーベル
角川文庫
電子版発売日
2014年02月21日
コンテンツ形式
EPUB
対応端末
  • Lideo
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  • iOS
  • Android
  • ブラウザ

Posted by ブクログ 2018年04月07日

読み終わって一言。しんどい。とにかくしんどい。
読んでいてこれ程までに胸を締め付けられるような小説がこれまであっただろうか? そう自問する。

読めば読む程、(殺されていい人なんていやしないのだけども)この人程、こんな死に方をしてはいけない人はいないだろうに、そう思って苦しくなる。
こんなに優しい人...続きを読む

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Posted by ブクログ 2017年07月08日

小林多喜二の母が語る、多喜二や家族のこと。母の言葉そのまま書かれているからこそぐっと距離が縮まり、子への気持ちが手に取るように伝わってくる。子を虐殺された母、どんなに辛かろう。母は子が全て。だから多喜二が何をしたとか、世の中がどうとか関係ない。なぜ小説を書いて殺されなければならなかったのか。この一言...続きを読む

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Posted by ブクログ 2017年04月20日

本屋さんでふと手に取った文庫本
三浦綾子だし、小林多喜二だし、読んでみようかなあと
よかったあ!
一気読み
三人称で綴られていたらここまでの感動はなかったと思う
学校へは行かれなかったけれど聡明でまっすぐで愛情深い母セキさんの秋田弁の語り口がなんとも切ない
丹念な取材と文献を調べた結果だろうが、やは...続きを読む

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Posted by ブクログ 2017年02月20日

三浦綾子にはまっていたのは2009年。「氷点」&「続氷点」、「道ありき」を読んだ以来8年ぶりに彼女の著書を手に取ってみた。
小林多喜二の母であるセキが一人称の形で綴られている「母」。面白く読みやすく一気に読んでしまった。
「蟹工船」は買ったもののまだ読んでなかったな。マンガバージョンでなら何...続きを読む

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Posted by ブクログ 2016年11月28日

「蟹工船」の作者、小林多喜二の母が語る物語。
三浦綾子さんが参考文献と取材で仕上げた一冊ですが、なんだかリアリティーが迫る。
本当、こんな感じだったんだろうなー。と。

小中学生の頃「お勧め図書」的に、いろんな文学とかと共に紹介される中にもあったはず「蟹工船」。
もう少し年が経ってから読んだはず。
...続きを読む

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Posted by ブクログ 2016年08月27日

小林多喜二の母の一人語りの形で書いてある。学はないが、愛情はたっぷりある、そんな母の視点で多喜二を描くのは易しいことではなかったと思うが、第三者視点の小説では成し得ない生き生きとした、かつ生々しい多喜二を知ることができる傑作だと思う。これは三浦綾子だから書けた、三浦綾子にしか書けない小説。
召天され...続きを読む

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Posted by ブクログ 2016年08月16日

プロレタリア文学作家であり、共産党員活動家であった小林多喜二の母親への取材に基づく、母の回顧録。警察は優しく常に正しいという幼少時の記憶から、最後は築地署で息子を拷問で殺され引き取るまで。その苦悩から逃れるためにキリスト教に答えと悟りを求める。母の愛と人生の無常感。最後まで答えはでない。

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Posted by ブクログ 2015年04月04日

小林多喜二の母の視点で書いた一人称の小説。
母親としての苦しい思いが伝わる。
親より早く死んでしまうのは親不孝かもしれない。
でも、精一杯生きた多喜二の人生はすごいと思う。
人の自由や権利が尊重される今の日本がどれだけ素晴らしいかと思う。

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Posted by ブクログ 2014年09月24日

警察に撲殺されようとも信ずる道を突き進む多喜二を、人の心を掴むのが長けている母親が語りべとして朴訥と語る。その飾り気のない静かな語りが、かえって当時の凄まじさが際立たてせている。この本を読んだすぐ後に多喜二生家後に行った。小樽築港駅の線路端の砂利場で当時の面影はない。

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Posted by ブクログ 2014年08月09日

随分前に買いカバーのまますっかり忘れていたこの本。何に惹かれてこれを買ったのかも忘れていました。
小林多喜二のお母さんが人生を語り口調で伝えるので、よりその心情が伝わり引き込まれてました。
小林多喜二が『蟹工船』を書いた作家と言うことぐらいしか記憶になかったけれど、あまりに悲惨な最期を迎えた時代背景...続きを読む

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