歓楽街の下にあるという暗渠(石造りの下水道跡)。そこには、〈王子〉〈時計師〉〈ブラシ職人〉〈楽器職人〉〈画家〉〈墓堀り〉〈坑夫〉と中世オランダの職業名を持つ七人の浮浪者が住み着いていた。ある日、怪我をした〈わたし〉は〈王子〉に助けられ、彼らの世界へと連れて来られたが――。眠ったまま死に至る奇妙な連続殺人事件。ふたつの世界で謎が交錯する超本格ミステリ!! 横溝正史ミステリ大賞受賞後の第一作。
- ジャンル
- :
- 小説 / 国内ミステリー
- 出版社
- :
- KADOKAWA / 角川書店
- 掲載誌・レーベル
- :
- 角川文庫
- 電子版発売日
- :
- 2014年02月21日
- コンテンツ形式
- :
- EPUB
- 対応端末
- :
-
- Lideo
- Win PC
- iOS
- Android
- ブラウザ
ユーザーレビュー
Posted by ブクログ 2014年08月16日
少年時代の締め付けられるような思い出で始まる序章。。。
貯水槽に消えた同級生と、消えない心と身体の傷。
27年後、暴力団の組長代行としての世界。
次々に組員が眠ったまま死んでしまうという謎のテロをしかけられる。
ガネーシャから届く殺人予告には、奇妙なメッセージが。。。
寂れた街...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年04月10日
「王子」という言葉が大好きなわたし。題名に惹かれて手にとった初・初野晴が、「漆黒の王子」でした。
幻想ミステリーなのでしょうか。上の世界としたの世界の物語が続く中、次第につながっていく二つの世界・・。でも、下の世界って現実なのだろうか・・・。何度も読み返したくなります。
氷の剃刀のような紺野は、可...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年09月11日
この本はかなり救えない作品です。
それは「ある人」が抱えた凄惨な過去です。
だけれどもこれに関しては注意深く読んでいけば
誰を指すかが分かってくる筈。
本当に暗い、救われない。
だけれども一人だけ光がいます。
そう、ヤクザらしからぬ心を持つ、水樹が。
彼は本当に不思議な奴です。
そしてガネーシャ...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年02月02日
最近は学園ミステリやファンタジーを中心に
執筆されている作家さんですが是非このタイプの
作品もまた出して欲しい。
Posted by ブクログ 2010年01月24日
うわ、これすんごく好き! 前作「水の時計」もそうだったのだけれど、寓話的要素の絡み方が絶妙だわこの人。雰囲気にとんでもなくやられた~。暗渠の中の物語が特にものすごーく好み! これぞ現代のお伽話という感がある。
「眠りながら死に至る」謎の事件や脅迫メール、犯人「ガネーシャ」の正体といったミステリ部分も...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月12日
読み終えたあと、しばらく虚脱状態に陥っていました。
『水の時計』とはまた違う怪しい雰囲気の物語。残酷なんだけど、どこか哀愁を漂わす文章にただ脱帽。
Posted by ブクログ 2009年02月04日
内容はヤクザの抗争と復讐譚+オペラ座を彷彿とさせる暗渠の、どこか童話のような世界の二部構成。この人の話にはいつも「弱者」が出てくるんですが、体だろうと心だろうとみんなどっかに痛みを持っていて偽善の入る隙間はなし。切ないなあ。でも最後に星はどうなったんですかね…
Posted by ブクログ 2016年02月19日
む…難しかった…
もう一回読まないとわからないなぁ
しかしもう一回読むには辛い厚さだ
復讐をする生き物は人間以外にいないのかな?
人間の敵は人間
人間の味方も人間
人類を滅ぼすのに細菌やウィルスがいるけれど、一番人間を殺しているのは人間なんだろうな
眠り病いいな
眠ったまま死にたい
ガネーシャは...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年04月30日
おもしろかった。
表題より、ブラックファンタジーものかと思ったのだが、
冒頭のいじめられた少年のエピソードにより、
現実ものと知る。
が、本編、上の世界、と下の世界、との二重の語り。
特に下の世界での、「王子」「時計師」などの呼び名によりファンタジー感あり。
この二つの物語は同時進行なのかと思って...続きを読む