千羽鶴
作者名 :

1巻配信中

価格 626円 (税込)

鎌倉円覚寺の茶会で、今は亡き情人の面影をとどめるその息子、菊治と出会った太田夫人は、お互いに誘惑したとも抵抗したとも覚えはなしに夜を共にする……。志野茶碗がよびおこす感触と幻想を地模様に、一種の背徳の世界を扱いつつ、人間の愛欲の世界と名器の世界、そして死の世界とが微妙に重なりあう美の絶対境を現出した名作である。他に「波千鳥」(続千羽鶴)を収録する。

ジャンル
出版社
新潮社
掲載誌・レーベル
新潮文庫
電子版発売日
2013年06月14日
コンテンツ形式
XMDF
対応端末
  • Lideo
  • Win PC
  • iOS
  • Android
  • ブラウザ

千羽鶴

Posted by ブクログ 2014年09月17日

艶っぽいあれこれが目にはつくけれどそこじゃない。目と耳と肌、自分自身で感じた事・確かめた事以外決して信じてはならない、と改めて教えられるお話し。

このレビューは参考になりましたか?

千羽鶴

Posted by ブクログ 2013年11月23日

傑作だと思います。著者が現実を大きく超えた異世界、白昼夢を漂うような女性の姿を描きながら、あくまで現実との対比として描くことで異常性を際立たせている。ごく日本的な世界観のなかで清と濁、美と醜の表現がすばらしいです。

このレビューは参考になりましたか?

千羽鶴

Posted by ブクログ 2011年03月01日

今まで読んだ川端の中で、最も位置づけにくく、ミステリアスな存在感を持つ作品だと感じた。
まず、作品の成立過程は、「山の音」と並行して書かれていること。この小説自体、どこが本当の終わりかハッキリしない。断続的に発表され、普通は最初に発表された5章を「千羽鶴」と呼び、次の3章を「波千鳥」(続千羽鶴)と呼...続きを読む

このレビューは参考になりましたか?

千羽鶴

Posted by ブクログ 2006年03月06日

川端の作品を読むといつも彼の文学的技法の多才さもさることながら、彼の芸術家としての感性の鋭さに感動する。例えば「雪国」では、冒頭のシーンに見られる様に彼の鋭敏な「視覚」によって小説全体が彩られている。この「千羽鶴」の場合その感覚は「触覚」にも及ぶ。死んだ愛人の肉感的官能を志摩茶碗の手触りに投影させる...続きを読む

このレビューは参考になりましたか?

千羽鶴

Posted by ブクログ 2005年02月12日

父親の本棚から引っ張り出して読みました。川端康成ってノーベル賞取った位に著名な文豪だけど、そういえば読んだことないな、一応目を通しておいても損はないだろう、と軽い気持ちだったんですが…川端先生、私が悪うございました。「魅力的な作品では、女性がうまく描かれているよね」というのが、僕を含めた二十二歳都内...続きを読む

このレビューは参考になりましたか?

千羽鶴

ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年10月25日

誰もが心の中に複数の感情を抱えている。つらい仕事の最中であっても、多くの人は何かしらの喜びを見出して気を紛らわすだろうし、あるいは逆に、どんなに楽しく過ごしていたとしても、ふとした瞬間に急に虚しくなってしまうこともあるだろう。喜怒哀楽はつねに隣り合わせ、表裏一体なのである。本作において、太田夫人は菊...続きを読む

このレビューは参考になりましたか?

千羽鶴

Posted by ブクログ 2018年06月11日

一を書いて十を伝える作家。何故だかわからないが、書かれてもいない登場人物の気持ちがどんどん流れ込んでくる。川端は日本一文が上手い作家だ。

このレビューは参考になりましたか?

千羽鶴

Posted by ブクログ 2015年03月30日

川端康成が1949年から1951年に発表した断章をまとめた"千羽鶴"と、1953年から1954年に発表した断章をまとめた"波千鳥"を収録。"波千鳥"は、取材ノートが盗難にあったため、執筆が断念されてます。主人公の菊治を中心に、色々な因縁の深...続きを読む

このレビューは参考になりましたか?

千羽鶴

Posted by ブクログ 2015年01月18日

様々な振る舞いをする女性、それは嫉妬であり、または無垢であり、そして情念。
自分には、母のために許せない菊治の想いが裏にはあったように見えて、結局菊治は、生きている人を限定すれば誰も憎んでなどおらず、太田夫人のくだりにも通ずるところがあると感じました。
全体を通して、菊治の感情がさして揺れていないこ...続きを読む

このレビューは参考になりましたか?

千羽鶴

Posted by ブクログ 2013年05月25日

「僕はね、不具じゃないよ。不具じゃない。しかしね、僕の汚辱と背徳の記憶、そいつが、まだ、僕をゆるさない。」

このレビューは参考になりましたか?