舞姫
作者名 :

1巻配信中

価格 626円 (税込)

舞台の夢をあきらめた過去の舞姫波子と、まだプリマドンナにならない未来の舞姫品子の母子。もとは妻の家庭教師であり、妻にたかって生きてきた無気力なエゴイストの夫矢木と両親に否定的な息子高男。たがいに嫌悪から結びついているような家族の姿の中に、敗戦後、徐々に崩壊過程をたどる日本の“家”と、無気力な現代人の悲劇とを描きだして異様な現実感をもつ作品。

ジャンル
出版社
新潮社
掲載誌・レーベル
新潮文庫
電子版発売日
2013年06月14日
コンテンツ形式
XMDF
対応端末
  • Lideo
  • Win PC
  • iOS
  • Android
  • ブラウザ

舞姫

ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年01月01日

やっと読み終わりました。川端康成は本当に人間関係のリアルを描写するのがうまいなと感心いたします。
この「舞姫」はバレリーナである波子とその愛人竹原の逢引シーンから始まりますが、そこで波子がお堀の中でじっとしてる白い鯉を見つめるシーンが危うげでとても象徴的です。そこで竹原は彼女に「およしなさい。あなた...続きを読む

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舞姫

ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年03月27日

ゆっくりと物語が進んでいく。
夫の狂気に包まれて少しづつ身動きが取れなくなってしまう様子が真綿で首を絞められてるようだった。
川端康成が描く女性は、気高いけれども弱い存在で、今の時代からじゃとても考えられない。

結局は最初と最後で外からみた状況は何も変わっていない。けれども、登場人物一人ひとりの信...続きを読む

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舞姫

ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年05月12日

「結婚はみんな、一つ一つ非凡のようですわ。……平凡な人が二人寄っても、結婚は非凡なものになりますのよ。」

 戦後という価値観がひっくり返ったような世の中でも、離婚というのは簡単に許されない。愛情よりも嫌悪で結びつく家族は不気味でもあるけれど、いやにリアルだった。

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舞姫

Posted by ブクログ 2016年07月19日

本作品のテーマを敢えて見い出せば、家族という緊結する者同士の無気力化や無関心化であり、在る面でこの後の高度経済成長期に迎える核家族化による関係性の変質を予見している。作中でも語られるように、バレエが西洋的な外の動きであるのに対し、日本舞踊が包み込むような内に向けた動作であり、日本女性へのバレエの流行...続きを読む

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舞姫

Posted by ブクログ 2015年01月02日

波子は言う。
「結婚はみんな、一つ一つ非凡のようですわ。・・・・平凡な人が二人寄っても、結婚は非凡なものになりますのよ」

気怠く鬱々とした物語だった。
戦争が終わった平和な世界で、一つの家庭がキシキシと音を立てながら崩れてゆく。

波子も、娘の品子も、想う人がありながら踏み出せずにいる。無心...続きを読む

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舞姫

Posted by ブクログ 2014年02月14日

川端作品らしく艶っぽくもあり、むなしさもありという作品で、戦後の社会を実感できると思う。文章は会話が多くて読みやすく、「俳優なら誰かな?」と想定しても楽しめる。三島由紀夫が解説を書いているところもなかなか面白かった。

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舞姫

Posted by ブクログ 2011年12月27日

何も解決できないし、解決しようともしてない人たちの話。
文中にもあるけど、「魔界」に入ることにこそエネルギーを必要とする。
まさに無気力。

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舞姫

Posted by ブクログ 2011年10月04日

「舞姫」は、プリマドンナを目指す品子、もとバレエをやっていた波子を題材にした家庭の不協和音を川端節で描いた物語。
物語の最初から不倫など、家庭の歪みで始まり、波子の夫である矢木の甲斐性なさを物語ながら、じりじりと深みに陥っていく。そんな作品。
文章の壮麗は、さすがとしか言えません。
無力、虚脱、諦念...続きを読む

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舞姫

Posted by ブクログ 2010年10月06日

雪国より、伊豆の踊子より、好き。

登場する女性に、しずしずと文章が寄り添っている感じ。

「抒情歌」に通じる幻想的なところがあって、
ひやりとする冷たさもあって、
ひりひりと引き込まれた。

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舞姫

Posted by ブクログ 2006年07月25日

夫、矢木の無力さに抗えず、かといって恋人の竹原のもとに行くこともしない波子。
この波子の持つ、2人への微妙な距離感は、川端の描く人物に共通してあるもののように思う。
家族であっても伝えきれない、それぞれの持つ孤独が、美しい描写の中でグッと迫ってきます。

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