Posted by ブクログ
2013年06月10日
上巻を読んだときはどうなることかと思ったが、後半のたたみかけがすばらしく、一気に読んでしまった。
誰かをわざと擁護するのではなく、全ての人物を「ちゃんと」描くのだというような意気込みみたいなものを感じた気がして、好感が持てた。
最初はたくさんのおじさんとおばさんとティーンエイジャーの区別が全くつか...続きを読むず混乱したが、読み終えると全員の映像まで浮かんで来るくらい、別々のキャラクターとしてそれぞれが頭の中に存在していた。
そもそも、誰が善人かとか、誰が正義かみたいなことを考えながら読むものではない(し、現実でも接するものではない)のだと感じた。
人間の愚かしさがふんだんに詰め込まれた物語であった。
瑣末で欲深く自己中心的で鈍感。誰にでもあるそういう部分を過剰に拡大して描いている印象もある。