Posted by ブクログ
2013年02月17日
作者自身も体験を踏まえて描かれた理系クンと理系クン好き女子の恋愛物語です。彼女の愛らしいイラストとともに連れ合いの「理系クン」のぶっ飛び思考振りと専門分野に話が及んだときのマシンガントークが見どころ。
ここ最近読んでいた漫画のうちで、かなり面白いものの部類に入っておりましたので、幾度となく読み返...続きを読むしては含み笑いをしておりました。内容はこどもの頃から、なぜか理系の男子に萌えていた文系女子である漫画家=高世えり子さんこと筆者と、彼女と出会い、愛をはぐくんでいくことになる理系クンとの出会いに始まって、その中で生じた文系と理系との生めることのできない溝や、彼の専門分野に関するマシンガントークと「女ゴコロ」や「おしゃれなバー」などのキーワードに対し、たちまちのうちにフリーズしたり、「熱暴走」を起こす理系クンの生態はかくも面白く、すばらしいなぁとおもい、読み進めてまいりました。
物語の中盤から修士論文&学会発表で筆者との間に緊張関係が生じる場面が発生するのですが、このあたりのことは僕は大学時代に某国立大学の工学部に警備員で入っていたとこがあり、夜になって見回りに行くと、泊り込みで研究に取り組んでいる学生が廊下で魚河岸のマグロのようにあちこちで眠っており、巡回するときには彼らの合間を縫って行ったことを思い出させました。それくらい彼らの研究している分野や、文系と違った厳しさがあるのだなということを読みながら感じました。
修士論文&学会がすべて終わった後にしていた筆者との打ち上げで自身が書いた論文の末尾に「精神的支えとなった高世えり子氏に感謝いたします」と書いていたことがとても印象に残っております。このシリーズはほかにもいくつか出版されている見たいですので、これからじっくりと読んで生きたいなと思っております。