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作家というのは嘘つきなものですが、皆川博子ほど上手に嘘をつく作家も珍しいのでは。
本作の舞台は18世紀ロンドン。解剖学に命を捧げる外科医・ダニエルの前に、突如としてあらわれた2つの異様な屍体。治安判事の捜査に協力するうち、浮かび上がってきた犯人は──という、いわゆる本格ミステリ小説ですが、そこは皆川博子、一筋縄ではいきません。
解剖学、墓暴き、稀覯本、同性愛、男装の令嬢など、ゴシックなアイテムを散りばめつつも、どこかコミカルに、ユーモラスに進んでいくストーリーに引き込まれること必至。また、登場人物がみんな魅力的なんです。天才細密画家のナイジェルと美男子エドの友情+αな関係は、乙女な読者のアンテナにもひっかかるのでは。
第12回本格ミステリ大賞に選ばれただけあって、ミステリとしても一級品。
Posted by ブクログ 2023年12月14日
初めて読む作者。18世紀のイギリスを舞台にしたミステリ。エンターテイメント。同時に当時の風俗も窺い知ることができる。また登場人物の性格やイマドキの若者のような軽妙な会話のやり取りに親しみやすさを感じ、そのギャップが面白い。
事件前と後のエピソードが交互に語られるため、核心に迫りそうになるたび、話が切...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月19日
はじめの方は、複雑な文章に慣れる事が大変だった。しかし、ダニエルと5人の弟子の解剖へ対する考え方や姿勢が素敵だった。
18世紀のイギリスの最悪な裁判の仕組み、治安の悪さ、ダニエルと5人の弟子と治安判事の信頼性など、様々な人間模様が描写されていて引き込まれた。人を無条件に愛せるのか、塾考した。普段は...続きを読む
皆川さんを知ることができて良かったです。石炭の煙に曇ったロンドンの情景に馬車、死体、当時の医学、羊皮紙の書物、コーヒーショップや退廃的な文化を散りばめて、最後の最後までドキドキしながら読むことができました。
Posted by ブクログ 2017年05月06日
最初はキャラクターの名前や専門用語が多く入りづらいかもしれないが、斜め読みでさっさと進めてしまうことを勧める。
ちゃんと読んでも読み進めているうちに何度もページを巻き戻すことになる。いい意味で。
心理描写が雑なところが賛否両論なところがあるが、それがいい意味で続編に繋がっていると思う。
主要登場人物...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年04月28日
このミス3位、文春ミステリー3位、本格3位
気になってた本ですが、海外小説でないのに
登場人物が外人、カタカナ名かと躊躇してました。
ずっと聞かせていただきと勘違い、告白展開ミステリー?
と思ってたら開かせていただきなのですね。
序盤、登場人物ページパラパラ見返し、難語もパラパラとスマホで検索しな...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年12月21日
18世紀ロンドン、外科医ダニエルの解剖学教室の暖炉からあるはずのない屍体が次々と発見され、盲目の治安判事ジョン・フィールディングが事件解決に乗り出す。
二段、三段構えの展開にすっかり騙されたけれど、いっそ痛快なぐらいで文句なしに面白かった。ただ、その動機がちょっと哀しくほろ苦い。
解剖が神への冒瀆...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月28日
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初めて読む作家さんだけど、あらすじと表紙が気になって買った本。「18世紀ロンドン」「ミステリー」のあたりとかね。
第一印象は翻訳を読んでるような文章だなーという感じ。レビュー見ると、他の作品とは文体をあえて変えてるみたい。後で知ったけど、80歳を越えてるとは!
めっちゃ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月06日
初めての作家さん、タイトル借り。口コミ評価が高いのも納得の面白さ…!
18世紀のロンドンが舞台。行政や裁判所は買収が当たり前で治安は悪く、外科医の地位が低い・解剖学が厭われていた時代。私的解剖教室で外科医とその弟子たちがお墓から死体を掘り起こして解剖に励んでいたが、警察がきてとっさに秘密のスペースに...続きを読む
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