Posted by ブクログ
2009年10月04日
イラスト系漫画の走りとでもいおうか。この物語は、一枚一枚がきれいなイラストから構成されている。それゆえ生身の感情はコマから剥離して、ある種淡白な形で読み手へと届けられる。
しかし不思議なのは、この複数のイラストから構成された漫画には、妙な「生活感」があるということだ。沖縄のうだるような暑さ。バイクで...続きを読む怪我した時の痛み。車が切っていく生ぬるい風。
何故だか、皮膚が感じるであろう全てのものが鮮やかに再現され、その隙間を埋めるように、淡白に受け取られた感情に色付けがなされていくのだ。
それはある種、セックスに似た行為。もしもここまで計算した上でタイトルをつけたのだとすれば、改めて作者へ感動の拍手を捧げたいと思う。