十四世紀半ばの北フランス。百年戦争の果てない戦乱に蹂躙され、疲弊しきった農村に一人の男が現れた。人心を惑わす赤い目を持ったその男・ジャックに煽動された農民たちは理性を失い、領主の城館を襲撃、略奪と殺戮の饗宴に酔いしれる。燎原の火のように広がった叛乱はやがて背徳と残虐の極みに達し…。中世最大の農民暴動「ジャックリーの乱」を独自の視点で濃密に描く、西洋歴史小説の傑作。
ユーザーレビュー
Posted by ブクログ 2017年08月04日
まだ人権も何もなかった時代。拠り所をなくした人々がいとも簡単に理性を失って残酷なことをしてしまう。平和な現代の日本にいると、全く想像もできない状況、人々の心理かもしれないが、人間には誰しもこのような状況に追い込まれてしまう弱さがあるのでは?と考えさせられた作品。
戦争って、こんなことが日常になってし...続きを読む
Posted by ブクログ 2006年03月07日
「ジャックリーの乱」でしたっけ。
歴史の授業で習った「言葉」でしかなかったものがこれほどの広がりをみせるとは。
Posted by ブクログ 2005年12月17日
脅威のマックシング ジャック・ハンマー、ハロウィンタウンのヒーロージャック、切り裂きジャックにブラック・ジャック、世界にジャックは数あれど、このジャックは一味違う。なにせ赤目。魔眼の持ち主のジャック様のお通りだーい!ってね。
というわけで赤目のジャックです(意味不明)。佐藤賢一氏の西洋歴史小説です。...続きを読む
Posted by ブクログ 2008年06月18日
大きな物の中に埋没して責任をどこかよそへやってしまうというのは人間の性なんだろうか。
カルチェ・ラタンを読んだ時も思ったけど人間ってどうしようもなく残酷な部分があるんだろう。
それを正当化してくれる大きな流れができたとき人間は暴走してしまうんだろう。
読んでるときいろいろ思うところがあったんだ...続きを読む