無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
Posted by ブクログ 2021年09月12日
読み始めると読み耽ってしまう幼少期の細かく綺麗な心理描写。
いま咲くばかり薫をふくんでふくらんでる牡丹の蕾がこそぐるほどの蝶の羽風にさえほころびるように、ふたりの友情はやがてうちとけてむつびあうようになった。
私はまた唱歌が大好きだった。これも兄のいる時には歌うことを許されなかったのでその留守のま...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月28日
子供の頃の思い出を子供そのままの瑞々しい感性で綴った私小説。病弱な幼少時代の前編と就学後の後編からなるが、いずれも人見知りで感受性豊かな筆者の体験は何処か懐かしい。毎年読み返すたびに「すべてのものはみな若く楽しくいきいきとして、憎むべきものはひとつもない。」そんな風景が当たり前であった過去を思い出し...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月22日
2020.7.22
体が弱いことからこの時代にしては甘やかされて(実際にしょっちゅうお菓子やらおもちゃやらを買ってもらえているのでそれなりにお金がある家と思われる)育ったのに、そんなに傲慢にならず感受性豊かに育った主人公の話。
前半は子どものころ面倒を見てくれた伯母とのやりとりがほとんどだが、文...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月10日
私は平成生まれで、当然この物語で
描かれている時代については無知である。
しかし、懐かしい。
描かれる人々、風景、モノ、会話、その全てに
懐かしさを感じた。
おそらく、強く日本を感じるのであろうと
思われる。
自伝的な内容で、主人公の幼少から青年期までが
描かれている。
自分に重ね合わせながら、...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月11日
著者が幼少の頃の思い出が書き綴られている。本書はストーリー性、哀愁、教訓といったものを期待して読むものではなく、美しいものを鑑賞するように読むべきものである。
解説でも書かれているように、本書に描かれているのは著者が幼少の頃の視点の記憶でもなく、大人が想像した少年の視点でもない、少年の視点そのもので...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月12日
大人になっても捨てられない銀の匙
虚弱な赤ん坊だった彼は
それを用いて漢方薬を飲まされていた
母から聞いたその頃のエピソードをとっかかりに
幸福な少年時代が回想される
虚弱だったもんで伯母さんに甘やかされており
乱暴な男の子たちのことは憎んでいた
それで、よその遊び相手といえば専ら女の子であった
し...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月29日
前篇が1911(明治44)年、後篇が1913(大正2)年の作。
当時夏目漱石がいたく賞賛した作品とのこと。確かに子どもの心、子どもの世界をよくとらえており、自分とは全く違う環境・違う経験のプロセスにいるのに、読んでいるとどこか懐かしい感じに囚われるのは、やはり「子ども」の普遍を掴んでいるからだろ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年03月03日
導入で引き出しの中の銀の匙、というアイテムから子供時代の回想に入っていって、あとはもうひたすらに、子供時代が描かれていく。
描かれている時代に懷かしさを感じる、というわけではないのだけれど、
あぁ、こんな事に喜んでいたな、とか、ああ、こんな感じだったかもしれないな、と、自分の子供の時分にも思いを馳せ...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。