世界的ピアニストのライダーは、あるヨーロッパの町に降り立った。「木曜の夕べ」という催しで演奏する予定のようだが、日程や演目さえ彼には定かでない。ただ、演奏会は町の「危機」を乗り越えるための最後の望みのようで、一部市民の期待は限りなく高い。ライダーはそれとなく詳細を探るが、奇妙な相談をもちかける市民たちが次々と邪魔に入り……。実験的手法を駆使し、悪夢のような不条理を紡ぐブッカー賞作家の異色作。

ジャンル
出版社
早川書房
掲載誌・レーベル
ハヤカワepi文庫
ページ数
960ページ
電子版発売日
2012年03月30日
コンテンツ形式
.book
対応端末
  • Lideo
  • Win PC
  • iOS
  • Android
  • ブラウザ
  • DB50

充たされざる者

Posted by ブクログ 2018年01月19日

深い動揺と混乱を得た。
夜見る夢をこんなにも緻密に具現化したものは見たことがない。恐ろしい。悪夢である。

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充たされざる者

Posted by ブクログ 2016年11月13日

カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』が面白いと話題なので読んでみようかと思ったのだが、そう言えば『充たされざる者』が未読だったのを思い出して、読んでみた。

時間も空間も歪んだ世界で、登場人物は何重にも重なり、悪夢のような(というか悪夢そのものの)不条理が延々と続くが、個々のエピソードが魅力的でグイグ...続きを読む

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充たされざる者

Posted by ブクログ 2016年09月17日

丁寧な物言いなのに無遠慮な、愚かしい悩みを延々と聞かされる。昔だったらつまらない、と読めなかっただろう。愚かしい悩みが他人事でなくなってくる歳だから読めたと思う。

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充たされざる者

Posted by ブクログ 2012年11月26日

これまでのイシグロ作品比べて長さ的にも内容的にも格段に読みにくく、つかみにくかったにもかかわらず、読後は本当にいろいろと考えさせられた。読書会があれば参加して見たいと初めて思った作品だった。不毛なコミュニケーション、過度な要求、ゆがんだ空間と時間、それが最後の電気技師で初めて噛み合う。しかし、ライダ...続きを読む

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充たされざる者

Posted by ブクログ 2011年07月30日

語り手ライダーは世界的なピアニストとして、ある小さな街のコンサートに招かれた。
町の人々は彼の音楽が閉塞感ただようこの街に新たな風を呼び込んでくれると大きな期待を寄せているが、物事は予定通りに進まず、ライダーは混乱の中本番を迎えてしまい……というお話。


余白の多い独特な語り口で、はじめは困惑させ...続きを読む

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充たされざる者

Posted by ブクログ 2009年03月22日

小説に「構造美」を求める人にとって、これほど緻密に整った作品はお目にかかれないだろう。
装丁で見られるように、読者は薄暗い一本道をひたすら歩かされる。カフカが迷宮であるなら、これは暗い街道だ。そもそも、カズオイシグロの作品には「語られざるもの」が主題であり、常に「語られる」ものから周りを見渡さなくて...続きを読む

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充たされざる者

Posted by ブクログ 2018年06月17日

この作家は、読者に霧のなかを歩かせる。名声高いピアニスト、ある街のリサイタルに招かれるが、住民の厄介ごとに巻きこまれ....。テーマは家族愛だろうか。最後救いあるけど、仕事人間のお父さんへのペーソスを感じる。どこの国、時代、家庭にもありそうな不条理。読み終えるのが難渋で、再読はしたくない。

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充たされざる者

Posted by ブクログ 2017年12月21日

不思議と読み進めてしまう

非常に独特で、つかめそうでつかめないような、笑えるような笑っちゃいけないような、ぬるぬるした小説。
これは誰もが見る「夢」の共通言語で描いたというインタビューを見て、その描写のあまりの巧みさに気付いた。

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充たされざる者

Posted by ブクログ 2016年05月26日

時間も歪み、空間も歪み、常にズレがある世界で起きる出来事は、現実なのか主人公ライダーが見ている長い長い悪夢なのか…
モヤモヤとしたものに包まれているような感覚になりました。
そして、ここまで登場人物達の言動にイラつかされる小説も珍しい。
主人公に次々と利己的な頼みごとや相談を持ちかける人、何か起きて...続きを読む

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充たされざる者

Posted by ブクログ 2016年03月05日

160305 いらいらとわからなさに付き合う根気。しかし最後に感じとれるものがある。もう一度丁寧に読み返せば、もっと納得して感動できると思う。

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