短い旅に出た老執事が、美しい田園風景のなか古き佳き時代を回想する。長年仕えた卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々……。遠い思い出は輝きながら胸のなかで生き続ける。失われゆく伝統的英国を描く英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。

ジャンル
出版社
早川書房
掲載誌・レーベル
ハヤカワepi文庫
ページ数
368ページ
電子版発売日
2012年03月30日
コンテンツ形式
.book
対応端末
  • Lideo
  • Win PC
  • iOS
  • Android
  • ブラウザ
  • DB50

日の名残り

Posted by ブクログ 2018年07月02日

静かに感情が揺れる小説。第二次世界大戦前のイギリスで、こういう流れがあったのかという点でも面白かった。情景の浮かぶ描写が多く、心地よく読み進められる。
ラストの主人公の切なさや後悔のような思いは、映画の方で強く感じられ、それまでの描写では小説で理解の深まる部分があり、映画も小説も両方楽しむことをお勧...続きを読む

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日の名残り

Posted by ブクログ 2018年06月24日

 きわめて巧妙に構築された小説である。この小説の中心にあるのは回想である。主人公のスティーブンスは英国の格式の高い屋敷に仕える執事であるが、すでに彼の価値観ではいかんともしがたい時代になっていた。献身的に使えた元主人は失脚し、今はアメリカ人の富豪に雇われている。元主人には全人格的な信頼と服従をちかっ...続きを読む

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日の名残り

Posted by ブクログ 2018年06月17日

ノーベル賞作家の作品はつまらないだろうと思うのは私の全くの偏見だった。読後は余韻が胸に広がりすぎて、その広がりを持て余してしまい、最後は目からあふれてしまった。なんとなく泣きたくなったのだ。悲しかったわけではない。スティーブンスが眺めた美しい落日の風景が私の目にもまざまざと浮んできたからだ。
読み始...続きを読む

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日の名残り

Posted by ブクログ 2018年05月13日

淡々と叙述されていく。どこかに盛り上がりがあるわけでも、思わぬ展開があるわけでもない。もしも小説の価値が、エンタテインメント性で決まるとすれば、この作品の価値は低いだろう。しかし良い。すっと沁み込んでくる。良質な鉱泉水を口にしたような読後感。

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日の名残り

Posted by ブクログ 2018年04月03日

読後にしみじみとした、言いようのない感動があります。

消えゆく英国文化の生き残りとも言える執事、スティーブンスが、短い旅の中、輝かしい過去を回想するという、淡々とした物語です。
退屈そうな、山場もなさそうな展開と設定なのに、カズオ・イシグロの腕にかかると、登場人物たちの生き生きとした会話劇と、執事...続きを読む

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日の名残り

Posted by ブクログ 2018年03月31日

イシグロ作品初読み。
美しい文章で綴られる老執事スティーブンスの回想。読後は温かい余韻が心の中に残った。
英国の名家の戦前戦後を支えてきたスティーブンスが、かつての同僚と再会すべくひとり旅に出る。
そして道中、のどかな田園風景の中をドライブしながら、これまでの自分の人生や執事としての仕事についての思...続きを読む

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日の名残り

Posted by ブクログ 2018年03月17日

何度も読みたい本。回顧と現在の絡み合いも、個人と世界の関わりも、全て含めた世界の在り方が、せつなくせまってくる物語。

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日の名残り

Posted by ブクログ 2018年03月07日

著者の得意な第二次世界大戦の時代を振り返る形式。エンタメ。終盤のどんでん返しが悲しくてよい。
信用ならない語り手による欺瞞的な回顧という形式も著者が得意とするところだが、今回は全てを執事の品格というフィクションで糊塗する男。語り口が一々うざったらしくてよい。そして豊崎由美氏も指摘するとおり、実質はた...続きを読む

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日の名残り

Posted by ブクログ 2018年02月27日

意識高い系執事による品格を追い求めるストーリーです。

かつて英国で社交界の中心的存在だったダーリントン・ホールの執事スティーブンスは、現在の雇用主である米国人実業家ファラディの許しを得て、北イングランドへのドライブ休暇をとる。その目的はかつての同僚ミス・グランドを訪ね、人手不足に悩むダーリントンホ...続きを読む

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日の名残り

ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年01月15日

 「わたしを離さないで」、「わたしたちが孤児だったころ」に続いて、カズオ・イシグロの作品を読むのは三作目です。

 この作品では、執事のスティーブンスがかつての女中頭のミス・ケントンと再会するために車でリトル・コンプトンに向かう旅が描かれています。といっても、話の中心は旅自体ではなく、その途中にステ...続きを読む

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