Posted by ブクログ
2017年10月14日
蓮丈那智シリーズの4作目です。そして残念ながら最後ですね。
でも4作目があるとは知らなかったので、
読むことができてうれしかったです。
解説によると北森さんの遺稿は3分の2程度だそうです。
ちょうど境目にあたる文節の最後がちょっと思わせぶりだったので、
北森さんが書き続けていたら、
もしかしたら別の...続きを読む場面も有り得たかなと思わないでもないですが、
徹頭徹尾、那智は那智らしく、最後まで違和感無く読破しました。
それにしても。
邪馬台国に関する考察は圧巻でした。
那智が先ず研究テーマとして取り上げ、
「阿久仁村遺聞」から始まる謎解きと交錯しながら、
徐々に解き明かされていくのですが・・・。
九州説やら畿内説やらいろいろあるという位の知識はありましたが、
岡山県にある神社や島根県の出雲大社に伝わる縁起なども絡めて、
「これが正解では?」と思わず納得しそうな展開でした。
「阿久仁村遺聞」に関する因縁は、
北森さん作の別シリーズ『狐闇』で描かれた事件に端を発しているので、
先にそちらを読む方がいいと思います。
私も『狐闇』を読んだのが大分前なので、
「この人だれだっけ?」という人物も登場して再度斜め読みしました。
両シリーズで那智と陶子がタッグを組むのを何度も読んできましたが、
今後その機会は無いんだなと思うと残念でたまりません。