Posted by ブクログ
2013年01月04日
久しぶりに乃南さんの作品が読みたくなったので。
「母の秘密」からはじまり、「野良猫」「なかないで」「塵箒」「置きみやげ」と続いていく連続短編集。
主人公は主婦だったり、サラリーマンだったりとそれぞれ異なるけど、いずれの話にも登場するのがひとつの小型拳銃。
最初は少し非日常感が強いなあって印象だけど...続きを読む、読み進めていくうちに前の話で疑問に思っていたことが少しずつ明らかになっていく。
私は二作目の「野良猫」が好きかな。
拳銃が出てくる、というから一見物騒な話かと思ってしまうけど、ぞっとするような読後感はないです。
まあ、完全に平和かというとそうでもないんですけどね。 笑
むしろ、少し穏やかな気持ちになったのは、私だけかな?
女流作家ということもあり(この「女流作家」っていう言い方は好きじゃないけど…)乃南さんは女性の心理描写に長けているけど、かといって男性が主人公の話もそれに劣らずおもしろいです。
おじさんが主人公の「塵箒」とかね。突入してくシーンは不覚にもときめいてしまいました…おじさんかっこいい!
また別の作品も読んでみようかな。