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孤独を愛する人気作家が突然の断筆宣言。担当編集者は作家の住む地方へひとり、向かった。作家を脅かすものを探しに――(「夢伝い」)。地球に近づいてきた惑星、現れた女遍路――。四国に戻って来た私は、40年前の午後を思い出していた(「送り遍路」)。自らの胎内で卵を孵すセグロウミヘビ。海洋生物マニアの男は「彼女」を手に入れてから生活が一変し……(「卵胎生」)。未知のウイルス性感染症が蔓延した後、「新しい世界」の幕が開けた。男は都心から自然豊かな土地に移住を決め、恋人とはリモートで関係を深めていたが……(「果て無き世界の果て」)など、昭和から現代までを舞台に、日常に潜む怪異や心理の歪みから生まれる怪奇を描いた全11話を収録。
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年07月28日
現実とさまざまな形の非現実を行き来するような、不思議で不気味な話が11篇収められた怪奇短編集。
事実が明かされていくほどに、奇妙なまでに辻褄が合っていく過程と、静かに迫ってくる不気味さと恐怖が秀逸な表題作「夢伝い」をはじめ、話はどれも恐ろしいながらも美しくまとまっており、余韻も良く、そのうえ読みやす...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月18日
「夢伝い」「水族」「エアープランツ」「沈下橋渡ろ」「愛と見分けがつかない」
「卵胎生」「湖族」「送り遍路」「果てなき世界の果て」「満月の街」「母の自画像」
11話収録の怪奇短編集。
装丁から既に宇佐美ワールド。
数行読み進めば、あっという間に静寂で湿り気を帯びた宇佐美沼に、どっぷりと呑み込まれて...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月17日
表題作他、全11編の。ホラー・奇譚集。怖い話、不思議な話というだけでなく、どんでん返し的な話もあり、宇佐美さんのストーリーテラー振りが遺憾なく発揮されている。このところ、ホラーではない小説が続き、宇佐美さんは、もうホラーは書かないのかと思っていたところだったので、長編ではないが、久し振りのホラーテイ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月30日
11編の短編集。
どれも日常に越境してくる異界を描いたものである。
ゾクゾクするような怪談とは、ちょっと違う感じがした。
不気味さといったほうが近いかもしれない。
表題の「夢伝い」は、眠れない怖さがひしひしと伝わってきた。
恐怖や戦慄もあるのだが、短編でちょうど良いと思えるくらいだった。
あまり、長...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月21日
宇佐美氏は短編も上手いし面白い。これだけあると好みもあるが、表題作の「夢伝い」や「エアープランツ」「愛と見分けがつかない」「卵胎生」「果てなき世界の果て」あたりが面白い。怖さや怪しさがそこはかとなく漂流するような雰囲気があり、読後もフワフワした気にさせる。どんな内容の文章でも宇佐美作品は文句無しに面...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月24日
ちょっと現実から逸脱してしまった人々を描いた11篇を収録した短篇集。帯にあるとおりホラー寄りではあるが、そんなに怖くはない。
宇佐美さんは長篇の作家という認識で、短篇集を読むのはこれが初めて(他にもあるのか?)。この作家らしいバラエティーに富んだ作品ばかりでとても楽しめた。
男女の、あるいはもっと大...続きを読む
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