新しい世界で～座間味くんの推理～

石持浅海

大学生の玉城聖子が書店で待ち合わせているのは、警視庁の幹部と、座間味くんと呼ばれる中年の会社員の男性。世代も性別もバラバラだが、不可解な話を肴に時折酒を酌み交わす仲だ。若手起業家と空き巣の争い、猫がもたらした複雑な出会い、キャンプ場で一人テントを広げるスーツの女性、そして聖子の胸に淀む罪悪感……。杯が進むほど推理は冴え、予想外の真相が露わになる。本格ミステリの愉楽、呑み語らう悦楽がひしめく短編集！

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内小説
• 出版社: 光文社
• 電子版発売日: 2021年12月21日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 1MB

[ブクログ · ★★★★★]

過去の事件の構図は、彼の一言で反転する。
あまりの鮮やかさに思わず身震いしてしまう。
なんて面白い。
純粋に推理だけで楽しませてくれるこのシリーズには、驚かされてばかりいる。
読者と共に年を重ねていく彼らを見るのも良い。
一作目と二作目を読んだ人にこそ読んで欲しい最新作。

[ブクログ · ★★★★☆]

短編連作で、同じパターンで進んでいくので、読みやすい。また話題も、個人的に好きな日常の謎系。しかし、この話に行く前の話があるよう。順番が逆になってしまうが、そっちも読んでみよう。

[ブクログ · ★★★★☆]

座間味くんシリーズの安楽椅子探偵6編。
ハイジャック事件の赤ん坊が成長して一緒に語らう中で隠れていた真相を導いていく。最後の一編はチョットだけ捻りがある。
テンポ良く進みミステリ部分も解決編が腹落ちするので楽しい。

[ブクログ · ★★★★☆]

　相変わらず面白い。石持浅海の新刊、座間味くん(もちろんあだ名)シリーズだ。いわゆる安楽椅子探偵もので、主人公の座間味くんが、他者の何気ない会話から、彼独自の鋭い視点で、誰も気づかなかった真相を解き明かす連作短編だ。主人公の観察眼とロジックに引き込まれること間違いなし。
　石持浅海の作品はどれもオススメ。

[ブクログ · ★★★☆☆]

座間味くんシリーズ短編集。
いつものように大迫警視正が語る事件の話が座間味くんの一言によってガラッと様相を変えるのが面白かった。
『月の扉』の赤ちゃんが二十歳になって、座間味くんや大迫警視正と酒を酌み交わしながら四方山話をするというのは、リアルな時間経過とリンクしていて感慨深い。『月の扉』はほとんど忘れているので読み返したくなった。

[ブクログ · ★★★☆☆]

本屋さんでの待ち合わせ、即予約できる美味しいお店、彼の一言で静まり返る個室、鮮やかな解決(ややこじつけのケースもあるけど笑)
全てが安定の、とても好ましいワンパターン笑

それにしても18歳であのアプローチ(逆に、あんなところで止められるのは今時の子だからか⁈)…そんな青年、いる⁈笑

[ブクログ · ★★★☆☆]

美味しい食事とお酒を堪能している間に誰かが話した雑談が、座間味君の一言でくるりと反転して違う面を見せるシリーズ5作目。今回は大迫警視正に加えて「月の扉」で人質だった玉城聖子。赤ん坊だった彼女が飲み仲間になるなんて！なんだろうけど「月の扉」の記憶が遥か彼方なのでいまいち響かず。座間味君の推理はあくまで推論なので論理の積み上げ方が肝だと思うけど、やや強引かな？と感じた話がちらり。若手起業家と別荘空き巣との攻防「雨中の守り神」オートバイ乗りの男と猫が繋げた奇妙な縁「猫と小鳥」はまずまず。繋がりのなさそうな男女の同僚が何故かあるアニメグッズを持っている「二人のカップ」の仕掛けはシリーズとしては綺麗に決まっているけど、某シリーズとの既視感が。お約束にするのは駄目な気がする。

[ブクログ · ★★★☆☆]

「新しい世界で」「救出」「雨中の守り神」「猫と小鳥」
「場違いな客」「安住の地」「お揃いのカップ」
7話収録の連作短編集。

二十年前のハイジャック事件がきっかけで知り合った警視庁幹部の大迫、中年会社員の座間味くん、女子大生の玉城聖子。

毎回、同じ書店で待ち合わせ、美味しいお酒と食事を味わいながら、事件の謎を紐解いていく安楽椅子探偵物。

パターンが決まっているので刺激はないけれど、安心して推理を楽しむ事が出来る。
事件関係者の心理を読み取り、逆転の発想で真相に迫る座間味くんの頭の柔らかさに脱帽。

最終話では思わずニヤリ。

[ブクログ · ★★★☆☆]

「月の扉」から始まった「座間味くん」シリーズ。
20年の時を経て、ハイジャック事件の時、人質となった赤ちゃんである玉城聖子が成人になり、再会するところから今作は始まる。
これまでは、美味しい料理を食べながら、「座間味くん」と刑事の大迫とゲストと言うスタイルだったが、今作は全ていつもの二人と聖子と言う構図で、複数年に渡る連作短編集。
20歳になった聖子、就職に悩む聖子、無事に安定の公務員になった聖子、そして結婚する聖子と完全に聖子の成長の物語で、肝心の謎解きはあまり頭に入って来ないのは私だけだろうか？
「座間味くん」シリーズもこれで終わりか？というほどのラストの展開が印象的だった。

[ブクログ · ★★★☆☆]

真相を推理して楽しむというより、読んで楽しむシリーズですね。
相変わらず「さすがに無理がないか？」とは思うけど、ちょっと感じた違和感をちゃんと回収してくれるのはさすが。