底惚れ

底惚れ

1,584円 (税込)

7pt

主人公は村の生活に染まれず、江戸に欠け落ち、四十を過ぎた。一季奉公のまま、江戸にも染まぬ男たちは、大勢居た。根岸にある小藩の屋敷で奉公中、ご老公のお手つき女中・芳の故郷へ道連れを命ぜられる。旅の途中、訳あって芳に刺されるが、一命をとりとめる。自分を殺したと思い込んで、行方の知れない芳を探すため、彼女が来る可能性のある江戸の場末・入江町で女郎屋の主となる。商売は繁盛し、厚綿の布団を貸す損料屋に広げ、成功するが……。

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底惚れ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月22日

    これは凄い本です。「江戸染まぬ」の結末がとても切なかったのだけど、振り払う後日談でした。こんな続きを書ける作家さんに出会えてよかった。

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    Posted by ブクログ 2023年09月09日


    この春に生まれた川海老が泳いでいるのに、ようやく気づいた。 ー修羅場を経てジタバタした後、ふと目に入る小さな当たり前の日常 この瞬間って幸せ

    いつ芳が登場するのかと思いながら読んだ。

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    Posted by ブクログ 2022年09月03日

    主人公の胸の内がぐるぐると思い巡らされる様を、余計なものを削ぎ落として、粋な江戸っ子の語り口だけで描くリズム感が小気味いい。主人公の一途な思いと執念が迫ってきて、一気に読み通した。予想もしなかった終盤の展開が素晴らしく、そして表題の意味するところが分かったときには、もう一人の一途な思いが静かに展開し...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月11日

    泣けた。一人称の文章なので、少々しんどいところもあったが、中盤からグイグイ読ませた。最後のところで題名の得心がいった。いい作家にまた出会えました。

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    Posted by ブクログ 2023年09月08日

    悔しいくらいの筋立て。
    食いっぱぐれて江戸に流れた、もしくは田舎を捨てて。
    そんな男が生きる気概もなくただただ、一季雇いの仲間奉公。

    そんな日常の中で、武家の虚しさを絵にしたような、たった21歳御老公が存在する小さな地方の藩の抱屋敷。
    そこで男児を生んだ女中を、田舎に返す命令が。

    女中の「芳」は...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月30日

    武家に一年限りの奉公をする、四十すぎた「江戸染まぬ」男が語る、隠居した藩主のお手つきとなった女の宿下りに同行したことからはじまる因縁めいた話。一人称の語りというのは伝統的な日本の近代文学の特徴であるが、それを筆力のある作者が時代小説でやってみせる。もちろん自我との葛藤なんてややこしいものはなく、話の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月12日

    いつもの青山文平とは違うような思いが消せず、途中でやめようかと思ったが、読んでよかった。
    底惚れしているのが信だったのは鮮やかなり。

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    Posted by ブクログ 2022年02月25日

    人生のどん詰まりに居たような男が、女郎屋の楼主となって、どんどんまっとうになって、「家族」とも呼べる人間関係を築いて、事業も軌道に乗せていく。王道のサクセスストーリーなんだけど、私は結局王道サクセスストーリーが好きだ!!!

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    Posted by ブクログ 2021年12月31日

    語りの文体のせいかなかなか入って行けなかったのですが、ラスト近くにぐーっと引き込まれました。やっぱり青山文平さんです。読ませます。
    2021年最後をいい感じに飾ったかな。

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    Posted by ブクログ 2021年12月07日

    わずか2週間前に出版された本なのに、読み始めてすぐ「これ、読んだ事が有る」。
    調べたら出版社の解説に「2020年に刊行された短編集『江戸染まぬ』所収の「江戸染まぬ」を長編化。」と有りました。どおりでね・・。
    主人公の「俺」は、村から逃げ出し、江戸の武家屋敷で一季奉公(一年雇用の下層の奉公人)の中年男...続きを読む

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