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2月6日

毎週更新!BookLive! 書店員の愛と独断と偏見による「五つ星作品」をご紹介♪今週は『木曜日のフルット』『まさか発達障害だったなんて 「困った人」と呼ばれつづけて』の2作品です。

  • 「それ町」作者の新感覚猫マンガ

    • 木曜日のフルット(1)

      木曜日のフルット(1)

      石黒正数
      秋田書店
      1~5巻
      432円(税込)

      想像力広がる度

      主人公のフルットは、人間に餌付けされつつ自称「野良」の半端な猫である。エサをくれる一応の飼い主は鯨井先輩。安アパートに居を構え、ギャンブルに興じるちょっぴり残念な大人の女性だ。
      フルットの自由気ままで時々シビアな野良猫生活と、鯨井先輩のやっぱりちょっぴり残念な人間生活が、独特の画風と視点で描かれる。

      私のおすすめは、1巻で野良仲間と釣りをする話。川底に釣り針が引っかかり、「おれは地球を釣ってしまったということか!?」と妄想。釣り上げると地球が太陽に飲み込まれるし、離すと下に落っこちるし…と、恐怖に震える姿が愛らしい。
      釣りの最中に針が川底に引っかかるなんてよくある話だが、それがフルットの視点を通すとこんな物語が広がっていくのかと驚かされる。さらにわずが2ページでオチをつける構成力にも脱帽。読み終わる頃には誰もが、普段の日常の中に潜む想像力の種を、探したくなってくるはず。(書店員・らむ)

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  • 障害と向き合い、社会と関わる

    • まさか発達障害だったなんて 「困った人」と呼ばれつづけて

      まさか発達障害だったなんて 「困った人」と呼ばれつづけて

      星野仁彦 / さかもと未明
      PHP研究所
      1巻
      730円(税込)

      視野が広がる度

      大人になって発達障害と宣告された著者と、宣告した専門医の共著。著者はマンガ家のさかもと未明。発達障害とは生まれつきの特性で、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などが含まれます。100人に数人の割合で生じるとも言われており、少なくない数字です。

      精神的な面で、どこまでが健康でどこからが障害かと考えることがあります。例えばひどく落ち込む、またはひどく興奮している状態が、情熱的・気分屋という言葉の範疇の状態なのか障害の症状なのか。風邪の熱が、その人の平熱によってつらさがちがうように、個人差がありそうだとも思います。

      適材適所という言葉があるように、発達障害に限らず何らかの障害を持っている人が、その人にあった暮らし方や働き方をできる社会、その人が持っている性質や能力を活かせる社会が理想なのかもしれません。

      人とのコミュニケーション、個人と社会との関わりについて考えたことがあるかたには何かのヒントになりそうです。(書店員・乙女)

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