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書店員の勝手に五つ星

今年いちば~んおもしろかった本!今週は第2弾の書籍編です。年末年始の本のセレクトにお役立てください。
今年もたくさん読んだなぁー、と思いつつこのページの更新は今日で年内最後です。2015年は1月9日の更新となります。それでは良いお年を♪

  • 重いテーマなのに後味が良い、薬丸岳に外れ無し!

    • 死命

      死命

      薬丸岳
      文藝春秋
      1巻
      760円(税込)

      次の「このミス」1位度

      余命僅かの宣告を受け殺人願望を実行に移す男と、同じく癌が再発しながらも殺人犯逮捕に執念を燃やす刑事。物語はこの二人を対比させるように元恋人と刑事の娘、息子を絡めながら深みを増しつつクライマックスへなだれ込んでいきます。そして連続殺人鬼に身を落としていった男が幼少期の消し去った記憶を取り戻したとき、衝撃の結末が・・・。
      犯人を追い詰める刑事ドラマのようなサスペンス部分と、当たり前の日常で家族や愛する人と向き合う事の重みをじっくりと考えさせられる場面が印象的に描かれています。いつもながら重いテーマを扱いながら、今回の作品ではいつも以上に温かいシーンが多いように感じました。
      毎年、薬丸岳の新刊を読むたびに次の「このミス」第1位は彼だ!と私は思わずにはいられません!
      (書店員・ながい坂の途中)

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    「このミス」を取る前に薬丸岳を読みたいあなたに

  • ストーリーもイラストもまさにイリュージョン!

    • はてな☆イリュージョン

      はてな☆イリュージョン

      松智洋 / 矢吹健太朗
      集英社
      1~4巻
      600円(税込)

      ラノベ界最大の奇術!?度

      「迷い猫オーバーラン!」・「パパのいうことを聞きなさい!」の松智洋先生と「To LOVEる」の矢吹健太朗先生のコンビによるダッシュエックス文庫創刊作品!

      世界的に有名な奇術師であり、父の友人でもある星里衛にあこがれる中学1年生の不知火真は、念願がかなって実家を出て、衛の元での弟子入りが決まった。そこで衛の娘である果奈(はてな)と再会!
      と思いきや、実ははてなが真を女の子と誤解をしていて、同居拒否をし始める。なんとか追い出されることは阻止できたが、はてなとの関係はギクシャクが続く……
      そんな中、真は星里家の『秘密』にふれてしまう……

      これまでの松先生作品のポップな日常だけでなく、今作はバトルシーンや様々な謎があり、さらに矢吹先生のイラストは必見!!ラノベでも矢吹神であることは変わりませんでした!
      「To LOVEる」が好きな人はもちろん、ちょっと気になるアナタも見なければ損です!(書店員・あんにん)

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  • ウッチーの心の内が覗けます

    • 僕は自分が見たことしか信じない 文庫改訂版

      僕は自分が見たことしか信じない 文庫改訂版

      内田篤人
      幻冬舎
      1巻
      743円(税込)

      人柄に惚れる度

      2014年のサッカーワールドカップ、日本は残念な結果に終わってしまいましたが、選手たちの熱いプレーに心揺さぶられた人も多かったのではないでしょうか。
      そんな日本代表の1人、内田選手の著書がこちら。どこにでもいるサッカー少年だったウッチーがプロの世界に入るまでの経緯や、プロになってわかった想像以上の厳しさやプレッシャーが、包み隠さず語られています。

      私は熱烈なサッカーファンでもなく、「ウッチーかっこいいな!」くらいの軽い気持ちで読み始めましたが、自伝ともエッセイともビジネス書とも言える濃い内容に引き込まれ、読後はなんともあたたかい気持ちになりました。

      極めつけは、最後に付け加えられた自筆による「あとがきの、あとがき」。これを読むだけでも、ウッチーの人柄が存分に伝わってきます。
      ファンはもちろん、特にサッカーファンでもウッチーファンでもないという人にこそ、おすすめしたい1冊です。(書店員・パンダ)

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  • 生の喜び、死への心構え

    • 半島へ

      半島へ

      稲葉真弓
      講談社
      1巻
      1404円(税込)

      心を整理整頓度

      谷崎潤一郎賞、中日文化賞、親鸞賞受賞作。
      人生の後半に差し掛かった主人公が東京を抜け出し、来し方行く末を思いながら美しい志摩半島で日々を過ごす。
      人は老い、いつか死ぬ。
      家族、親しい友人、恋人が自分より先に亡くなることもある。
      いつか何らかの形でおとずれる死と向かい合うために、今を大切に丁寧に生きることが必要なのかもしれない。
      時間に追われず、思いのままに自然の中で暮らす。
      その自然描写が美しい。
      美しい中にも、生活の生々しい描写があり、文章に説得力がある。
      生の喜びを感じ、毎日を大事にしようと思わせてくれる。(書店員・乙女)

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    稲葉真弓の作品をもっと読む

  • また会いましょう、今日子さん

    • 掟上今日子の備忘録

      掟上今日子の備忘録

      西尾維新 / VOFAN / VOFAN
      講談社
      1~8巻
      1350円(税込)

      事件解決スピー度

      1日経ったらどんな記憶も忘れてしまう特異体質の探偵・今日子さんと、いつもトラブルに巻き込まれるフリーター隠館くんの物語。設定自体はもっとも探偵には不向きと思われるのに、それが逆に物語をスピーディーな展開にしていて…凄いです!

      隠館くんが今日子さんとどんなに仲良くなっても、今日子さんは絶対に忘れてしまう…
      でも、何だか会うたびに距離が縮まっていく(ように見える )今日子さんに萌え要素あり!!!

      明らかにされていない伏線も、今日子さんの忘却の謎も、二人の関係性も含めて次回作が待ち通しい新作ミステリー !
      (書店員・DO)

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  • 人間驕るべからず。一流の人は努力を惜しまない。

    • 一流になれる人、二流で終わる人

      一流になれる人、二流で終わる人

      川北義則
      PHP研究所
      1巻
      540円(税込)

      いかに素直に生きられるか度

      一流とは何か!
      三流の人でも一流になれる、一流のバイブル。

      例えば、完全なプロジェクトの遂行を目指す場合、一人の人間の能力だけでは無理である。
      しかし、英語がしゃべれなくても一流の人間はいる。
      ポイントは、「一流の英語の通訳ができる人間」に依頼する能力があるかどうか。

      また、一流の人間は常に良い印象を与えることができる。
      例えば、どんなにお金があっても、高価なものを身に着けたり派手な高級車にはのらない。
      決して、成金思考ではないのだ。
      「うん、納得」という感じである。
      二流の人は、どこかに自己顕示欲が出るのだ。

      「食事会後、すぐにお礼状をだす」など、ちょっとした、でも確実に差が出る対応をできるのが一流の人、そこまでできないのが二流の人。
      ここまで読むと、ちょっとその気になれば皆が一流になれる気がしてくる。
      そんな期待ができる1冊である。
      (書店員・雲助)

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  • キングオブ警察短編小説

    • 第三の時効

      第三の時効

      横山秀夫
      集英社
      1巻
      648円(税込)

      六編全てがキング度

      警察小説以外の作品を2冊続けて読めなくなってしまった私。某有名警察小説ランキングでも1位となり、今年発売の新刊でも無い、月並みなイチ押しです。あえてね。
      正直なところ、短編小説というと、長編に成り得なかったテーマというイメージがありました。
      全くのアホな思い込みでした。申し訳ございません。
      本のタイトルになった『第三の時効』だけでなく六編全てが映画にできるレベルで、中でもおススメは『ペルソナの微笑』。8歳の子供を巧みに誘導し、青酸カリ殺人を実行させた未解決事件。13年を経てに隣県で青酸カリ殺人が発生、あの事件と関連はあるのか。まず背景から鷲掴み。今回の主役、班最年少のお調子者である矢代刑事にも実は・・・とこれ以上は書けませんが、取調べ室のやりとりは痺れました。恐れ入りました。
      (書店員・ラーダニーバ)

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    珠玉の警察短編小説たち

  • どんな旅でもきっと意味がある

    • シスターズ・ブラザーズ

      シスターズ・ブラザーズ

      パトリック・デウィット / 茂木健
      東京創元社
      1巻
      1748円(税込)

      愛すべきろくでなし度

      シスターズ・ブラザーズが荒野をいく。ゴールドラッシュに沸くサンフランシスコをめざして。彼らは金を探しにいくわけではない、殺し屋としてある男を消すために旅をするのだ。

      ずいぶんと変なタイトルだと思ったが「シスターズ」は彼らの苗字だった。
      粗暴で狡猾な兄と、内気だがキレると凶暴な弟の危険なコンビ。またビビットでダークな表紙からも、ついついバイオレンスな盛り上がりを期待しがちだがそういう方向には進まない。ろくでもない兄弟がだらだらと旅をし、ダメな連中と出会い、飲んで、もめて、勢いで殺しちゃったりする。
      殺伐とした話だが、時にしみじみとあったかい感じが伝わってくるのはなぜだろう。
      それはおそらくこの兄弟がつながっているから。ダメな生き方でつながり、戦うためにつながり、成功と失敗でつながっている。そして、つながりは二人の人生を良い方にも悪い方にも変えてしまう。

      ラストに登場するおっかさんがいい味だしてます。だらだらしみじみ、でもちょっとハラハラしながら年末年始を送りたい方に。(書店員・purintai)

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    旅をする、旅を語る小説