ユーザーレビュー 国立がん研究センターのがんとお金の本 片井均 / 大江裕一郎 / 若尾文彦 非常によくまとめられた内容だった。 安心感を与えてくれた。 検査から治療法決定までのプロセス図はわかりやすい 検査費用や治療費の目安も分かりやすい 具体的な治療の種類の説明も流れもわかりやすい 申請関係もわかりやすくまとめている 第1章 告知されたら 国立がん研究センターの「がん対策情報センター」...続きを読む(ウェブ) がん相談支援センターを利用する 五大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、肝がん、乳がん) 胃がん:日本人のがん罹患数がもっとも多い、50歳代以降の男性に多い、リスクを高める原因は、喫煙、飲酒、慢性胃炎、塩分の多い食生活、ヘリコバクター・ピロリ菌 胃がんは発症から大きくなるまで時間がかかるため、毎年の検診で早期に発見できる 疑いありが出たら、精密検査を受けること 検診はバリウムか内視鏡 大腸がん:50歳代から罹患率が高くなる、早期であればほぼ100%治癒が可能、定期的に大腸がん検診を受けること、便潜血反応検査(2分の1から4分の3はこの検査で発見されている)で陽性を指摘されたら必ず精密検査を受ける 肺がん:原因は喫煙、女性は男性に比べてたばこの害を受けやすく、受動喫煙により肺がんになりやすい 疑いありと診断されたら、がんの有無を調べる検査、病理検査で確定診断となる 検診は胸部X線 肺がんはほかのがんに比べて転移・再発しやすい 肝がん:肝炎ウイルスの持続感染が主要原因、肝炎ウイルスの感染予防と感染した場合の早期治療が予防なる、罹患率、死亡率も少なくなってきている 沈黙の臓器と呼ばれるので、まずは血液検査(検診)、超音波検査 乳がん:女性がかかるがん1位、30代から増え始める リスク要因 1.初経が早い 2.閉経が遅い 3.月経周期が短い 4.初産年齢が高い、または出産経験がない 5.授乳経験がない、授乳期間が短い 6.肥満(閉経後乳がん) 7.身長が高い 8.飲酒の習慣 乳がんは自分で見つけることができるがん。 月に1回、見て・触るセルフチェック、生理が終わって数日間が目安 セルフチェック: 1.鏡の前に立ち、乳房の形や大きさをチェック 2.渦巻き状に円を描きながら指の腹で触る 3.水平・垂直のラインでも触る 4.あおむけに寝て外側から内側に手を滑らせる 定期検診はマンモグラフィと超音波検査 がんと診断されたときから緩和ケアは始められる 緩和ケアは外来、入院、在宅がある 補完代替医療を知る 国立がん研究センター「がん情報サービス」、独立行政法人国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報」、厚生労働省の「統合医療」情報サイトなどで参考にできる 臨床試験(治験)を勧められたら、臨床研究コーディネーター(CRC)に相談 遺伝子検査を受けるなら、「遺伝カウンセリング」で相談、「いでんネット」で実施施設を調べられる 第2章 公的医療費助成制度を活用 公的医療保険とは、国民健康保険や、協会けんぽはど 混合診療は全額自己負担、ただし「選定療養」「評価療養」は例外的に併用が認められている(保険併用療養費) 「拡大治験」「患者申出療養」というのも始まっている ・医療負担を軽くする制度 高額療養費制度:暦月で算出、条件により合算も可能、月をまたいで治療を受けた時は、自己負担額が変わる、申請は加入している公的医療保険に。支給は診療を受けた翌月から2年間有効 限度額適用認定証:入院前や高額な外来診療前に発行すれば、支払いが限度額までで済む 加入する健康保険組合に申請 限度額適用・標準負担額減額認定というのもある 高額療養費貸付制度:限度額適用認定証が間に合わなかった時、申請は加入する医療保険の窓口、返済は不要、国民健康保険に加入している場合は「高額療養費受領委任払制度」が利用出来る 高額医療・高額介護合算療養費制度:1年間の医療費と介護費の合計金額から計算、申請は加入する医療保険に。 小児慢性特定疾患療養費助成制度:指定医療機関で受診した場合だけ可能 ひとり親家庭医療費助成制度:自治体による 組合保険の付加給付:大企業や、共済組合にある。利用した方が得 国民健康保険には「一部負担金の免除」という制度がある、災害等で利用可能 医療費控除:年間で世帯全員の医療費合計が10万円を超えたら可能、控除対象と対象外があるので注意 確定申告が必要 療養生活の基本 「わたしの療養手帳」が便利 食事は看護師や栄養士に相談 運動、休息、睡眠が大事 がんのリハビリテーションがある、がん相談支援センターで調べられる 第3章 ・収入の不安に対する制度 傷病手当金: 第4章 ・生活や身体の障害に対する制度 傷病手当金:支給される条件 1.病気やケガの療養のための休業 2.仕事に就くことができない 3.労務不能の日が3日以上連続している 4.給料などが支払われない 雇用保険:非正規労働者でも受給可能 障害年金:がんでも受給できる 国民年金は「障害基礎年金」厚生年金は「障害厚生年金」 身体障害者手帳:がんでも申請可能、市区町村の福祉課、福祉事務所 生活保護:扶助の種類が複数ある。申請は福祉事務所や福祉課 生活保護は世帯単位 介護保険制度:申請は市区町村の窓口 介護度は「要介護1〜5」「要支援1〜2」「非該当(自立)」 訪問診療・訪問看護:地域包括支援センターで相談 介護保険の時はケアマネージャーに相談 介護休業・介護休暇:介護休業は通算93日まで、2週間前までに事業主に申請 介護休暇は単発用、年に5日まで 介護のための短時間勤務制度 1.時短勤務制度 2.フレックスタイム制度 3.時差出勤制度 4.介護サービス利用料の労働者負担分の助成制度 雇用保険の介護休業給付金というのもある 民間の医療保険・がん保険:先進的な医療を受ける場合や入院期間が長引いた時に備えるため 働きながら治療を続ける 家族のためのお金の備え 整理しておきたい資産や負債 預貯金、有価証券、不動産、保険、公的年金、負債・ローン 用語解説 標準治療:多くのエビデンスにもとづいた、現時点での最良の治療 先進医療:厚生労働省の「先進医療」のサイト参照 Posted by ブクログ 国立がん研究センターの肺がんの本 渡辺俊一 / 大江裕一郎 / 伊丹純 2016年8月に左肺下葉切除+リンパ節廓清手術を行い、術後はUFTを服用していたが、2017年2月に脊椎への転移が見つかり、翌月からジオトリフを服用している。これまで医者に言われるままで、自分から病気についての知識を得ようとは思わなかったが、無増悪生存期間が11か月ほどといわれているジオトリフの服用...続きを読む期間がすでに18か月になろうとしていて、きちんと病気に向き合ってみようと読んでみた。結果、現段階ではきわめて標準的な治療が行なわれていることがわかり安心したが、これからどういう展開になるのか不安はつのる。 Posted by ブクログ 若尾文彦のレビューをもっと見る