過去の哲学者の考えから学ぶリーダーシップのあり方について学べる、面白く良書であると感じた。
1番学びとなったことは、トーマス・ホッブスの、権限は贈り物であり、下から上へ譲渡されるものであるという考え方である。上の地位は、他人に何かを与えるような特権的な地位ではなく、他人から授けられたもの、よって他人
...続きを読むのために用いなければならない(他の人々が活躍できる環境を作る)
自分自身は立場と役割から権利を与えられ、時にそれを強く行使することも必要だと考えていたが、そもそもの捉え方を変えさせてくれる、またそれが他の人たちの気持ちを考えさせてくれる捉え方で非常に心に残った。
その他学びメモ
・アリストテレスの中庸、やりすぎでもやらなさすぎでもないちょうどいいアプローチを見つける
・ジャニスのグループシンク、特定の意思決定の内容にメンバー全員が内心反対しながらも、表には出さずに賛成してしまう状況、理性に基づいて判断することを許されない状況
・ニーチェの健康的な心と体づくりのためのアドバイス、なるべく物事に反応しないようにすること、自己中心的になること
・タイタニック症候群、危険に対する感受性を喪失、妨げになるような情報や苦言に耳を貸さなくなる
・ブッダの戦略アドバイス、苦しみをなくすにはその根源を断ち切る、それは自らに対する妄想から生まれる、能力を発揮できないジレンマも苦しみである
・ポパーの批判的合理主義、戦略に汎用的な理論を使うことは無意味で、独自の考え方をしてこそ成功できる
・ブーバーの世界と関わりを持つアプローチの一つ〈我ー汝〉モードの姿勢、他者と関わろうとする姿勢であり、エンカウンター(出会い)の精神でお互いから学び成長のきっかけを掴む。相手の肩書き役割にではなく、どんな人かに興味を持つこと。その人のことだけに集中して接すること。